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2009.09.29 Tuesday | - | - | -

恩田陸『ねじの回転』

ねじの回転―February moment (上)ねじの回転―February moment (下)
ねじの回転―February moment (上)恩田 陸

集英社 2005-12
売り上げランキング : 37877

おすすめ平均 star
star最初が肝心!
starSF?
star寝不足注意!

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ねじの回転―February moment (下)恩田 陸

集英社 2005-12
売り上げランキング : 37224

おすすめ平均 star
star散りばめられた伏線の収束が見事
star一気呵成に読みました・・満足の秀作
starこれは映像にしたい

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 近未来、人類は時間遡行の技術を手に入れ、国連は過去の「歴史の転換点」を再生・確定させる作業に着手していた。日本において選ばれた転換点は「二・二六事件」。安藤輝三、栗原安秀、石原莞爾の3名に懐中連絡機を持たせ、史実と違わぬよう再生作業を行うのである。しかし、何度かの「不一致」を繰り返したあとの再生で、叛乱軍は身代わりを使って生き延びたはずの岡田啓介首相を殺害してしまったが「不一致」にはならなかった。このまま歴史は確定してしまうのか・・・

 「二・二六事件」というと宮部さんの『蒲生邸事件』があるわけですが、あちらが外伝的であるのに対してこちらは歴史のIFをSFで表現した作品です。同じ題材ながら全く違う切り口です。歴史のIFというのはずいぶん使い古されたものではあるのですが、その辺はうまく処理されている気がします。
 例えば、こういう歴史IFものの場合、その時代や事件に対するある程度の知識が必要となります。ところがこの作品では「皇道派」「統制派」「昭和維新」などという、本来「二・二六事件」を語る上で必要不可欠なキーワードを知らなくても十分に楽しむことができます。作中に二度挿入される「二・二六事件」の説明文もわかりやすく、しかもニヤリとしてしまうものですし。
 当然のことながら懐中連絡機を持った3名にはそれぞれに思惑があり、思うようには進まないのですが、それだけではなくHIDSだったりハッカーだったりといういろいろな要素が再生の妨げになり、よりスリリングにしています。

 大変おもしろかったのですが、最終盤のあたりでちょっとそれまでと違った方向へ話が行ってしまって、「二・二六事件」はどうなってしまうのだろうという興味が弾き飛ばされてしまったのは残念と言うか物足りないと言うか。確かに伏線は引かれていたのですが、個人的にはちょっと減点です。

2006年2月7日読了
2006.02.12 Sunday 00:00 | あ行(恩田陸) | comments(0) | trackbacks(0)

恩田陸『蒲公英草紙 常野物語』

蒲公英草紙―常野物語
蒲公英草紙―常野物語恩田 陸

集英社 2005-06
売り上げランキング : 100202

おすすめ平均 star
starほっこり。
star期待しすぎなければ・・・
starたんぽぽ

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 日露戦争の頃、東北地方のある集落の名家・槇村家でのこと。医者の娘中島峰子は病弱な槇村家の末娘・聡子の遊び相手としてお屋敷に通うことになった。聡子は病弱で屋敷の外に出るのもままならず、「成人まで生きられない」と言われるほどだが、きわめて聡明で、槇村に相応しい凛々しさを持った少女である。お屋敷には画家の椎名、仏像彫りの永慶、発明家の池端などが寄宿していたが、そこに旅を続けていた春田家の4人がやってきた。彼らは、不思議な能力を持った「常野」と呼ばれる一族であった。

 『光の帝国 常野物語』に連なる常野物語の系列。とは言うものの、例の春田家の人々はあくまで物語の味付け程度といったところでしょうか。存在感は大きいのですが。
 さて、峰子の語りで進行するこの物語、全編になにやら暗い雲のような雰囲気が漂っていたのですが、その中に差し込む一筋の光こそが聡子でしょうか。彼女はいきいきと動き、それだけに、中盤まで穏やかに進んだ平和な物語が終盤に至って暗転する様は、まさに悲劇であり、そして切なさと感動を呼び起こしてくれます。
 前半に語られる様々な事柄から、おそらくはどんな形であれ悲劇が展開されることは容易く想像されるのですが、その想像の中でももっとも効果的な展開が採用されている気がします。悲劇を迎える直前までのすべてが、悲劇に寄与するために存在しているかのような印象です。
 おそらく、よく似た展開を持つ物語もいくつかは存在するでしょう。けれども、作者の力でより高みへと押し上げられている物語です。

 残念なことに、『光の帝国 常野物語』の続編ととらえて読んだ方には期待はずれだったのでは? 常野の一族がその能力を発揮して活躍する場面はわずかですから。

関連作:『光の帝国 常野物語』『エンドゲーム 常野物語
2006年2月7日読了
2006.02.09 Thursday 00:00 | あ行(恩田陸) | comments(0) | trackbacks(0)

恩田陸『ネバーランド』

ネバーランド
ネバーランド恩田 陸

集英社 2003-05
売り上げランキング : 12141

おすすめ平均 star
star一気に読ませるけれど、何かが足りない。
star年末。4人だけの高校男子寮
star読んで考えさせられた、秀作と思う

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 ど田舎にある長い伝統を誇る男子校。この冬帰省せず学生寮「松籟館」で過ごすのは、それぞれに事情を持つ美国、寛司、光浩と、通学組でありながらやってきた統の4人だった。4人だけに与えられた時間、4人だけに与えられた場所、そしてクリスマス・イヴの告白ゲームをきっかけに語られてゆくそれぞれの過去と秘密。

 実はこの本、読むのを楽しみにしていました。『三月は深き紅の淵を』を読んだときに、どうも自分と合わないような感覚を持ったのですが、せめてこの本を読むまではと思ったのです。あらすじにすごく惹かれたので。
 カテゴリで括るならば青春小説。4人の高校生がとてもいきいきと描かれています。たった7日間の出来事ですが、彼らにとっては自分が背負っていたものを減らし、代わって友の重荷を共有することで、非常になし得がたい成長を遂げた期間だったのではないでしょうか。
 いつかはここから出て行かざるを得ないし、それは彼らも心得ているはず。だからこそ、ここは彼らの理想郷として、永く記憶の中にとどまることでしょう。読んでいて何だか清々しいような気分になることが出来る作品でした。そういう点で、期待通り楽しむことができました。
 ただし、これは一種の青春ファンタジー。やっぱりこれだけの壮絶な過去を持った者だけが揃う、というか残っているということもないだろうし、なんといっても高校の学生寮での生活がこれだけきれいということも考えにくいですね。そういう大したことじゃないところにひっかかりを覚えてしまいました。

2006年1月21日読了
2006.01.22 Sunday 00:00 | あ行(恩田陸) | comments(0) | trackbacks(0)

恩田 陸『光の帝国 常野物語』

光の帝国―常野物語
光の帝国―常野物語恩田 陸

集英社 2000-09
売り上げランキング : 82954

おすすめ平均 star
starファンタジーというか幻想というか輪廻転生
star静かで穏やかで哀しい
star常野に里帰り

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 様々な超能力をそれぞれ1つずつ持っている常野の一族。穏やかな性格の人々だが、その能力ゆえに悩み、苦しみ、そして時の権力者に狙われたりする。時間と場所を越えた短編集。

 もったいない。そして贅沢。
 恩田さん自身あとがきで「手持ちのカードを使いまくる総力戦」と書いていますが、まさにそんな感じ。書こうと思えばここで使ったカードでいくつかの長編が書けただろうに。ただ、それだけに中身がぎゅっと詰まった短編集です。一見ばらばらに見える短編集なのですが、登場人物とかが微妙にシンクロしていたりします。
 「超能力」という言葉に「エスパー」というイメージ(なんとなく「銀色の全身タイツ」みたいな)で反応してしまったのですが、ぜんぜんそんなことはありませんでした。作品それぞれが懐かしさや怖さ、切なさ、都会的なイメージなど様々なものを与えてくれます。短編に留めたためか余韻が残り、「このあとどうなるの?」と続きを期待したくなります。そういう意味では秀逸な予告編の集合体のようでもあります。以前『三月は深き紅の淵を』を読んだときの印象は払拭です。
 今、はっきり後悔しています。あのとき『蒲公英草紙』のサイン本を買わなかったことを。

収録作:「大きな引き出し」「二つの茶碗」「達磨山への道」「オセロ・ゲーム」「手紙」「光の帝国」「歴史の時間」「草取り」「黒い塔」「国道を降りて・・・」
関連作:『蒲公英草紙』『エンド・ゲーム
2005年8月24日読了
2005.08.25 Thursday 00:00 | あ行(恩田陸) | comments(0) | trackbacks(0)

恩田陸『三月は深き紅の淵を』

三月は深き紅の淵を
三月は深き紅の淵を恩田 陸

講談社 2001-07
売り上げランキング : 16015

おすすめ平均 star
star娯楽作品として、いかがでしょうか?
star作家ノート
star読み手の姿勢が問われる…

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 幻の本『三月は深き紅の淵を』をめぐる物語。「黒と茶の幻想」「冬の湖」「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」「鳩笛」の四部構成のこの本は、たった一人にたった一晩だけ貸すことが許された自費出版であり、わずかな期間の後、回収されてしまった・・・

 全編を通して幻想的な雰囲気が漂う物語です。「待っている人々」「出雲夜想曲」「虹と雲と鳥と」の3つの章は、その雰囲気とミステリアスな謎がちょうどよい感じで、おもしろかったのです。ただ、最後に待っていた「回転木馬」だけは、読みが浅かったのか煙に巻かれてしまったようで、なにやらよくわからないうちに終わってしまった感じです。いずれ機会を見つけて再読したい作品。そうしないと『麦の海に沈む果実』『黒と茶の幻想』といったほかの作品へもいけない気がするので。

関連作:『麦の海に沈む果実』『黄昏の百合の骨』『図書室の海』『殺人鬼の放課後
2005年2月19日読了
2005.02.19 Saturday 00:00 | あ行(恩田陸) | comments(0) | trackbacks(0)