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2009.09.29 Tuesday | - | - | -

辻村深月『凍りのくじら』

凍りのくじら
凍りのくじら辻村 深月

講談社 2005-11
売り上げランキング : 13224

おすすめ平均 star
starとにかく「イタイ」
starいやーすごい
starミステリー要素は少ないが…

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 僕と同世代の人であれば、ほとんど誰もがマンガで読んだり、アニメを見たりしたことがあると思われる『ドラえもん』。御多分に漏れず、僕も子どものころアニメのドラえもんをよく見たし、マンガでも読みました、あれは病院の待合室だったか、それとも床屋の待ち時間だったでしょうか。

 進学校に通う女子高生理帆子は、周囲の人々をSF(少し、ナントカ)と表現して遊んでいた。これは敬愛する藤子先生がSFをSukoshi-Fushigiと表現したことに倣っていた。彼女の元彼若尾はSukoshi-Fuhai(少し、腐敗)、そして彼女自身はSukoshi-Fuzai(少し、不在)であった。

 辻村さんの『凍りのくじら』は、ドラえもんと作者の藤子・F・不二雄氏への愛情に満ちた青春小説でした。「カワイソメダル」「もしもボックス」「どくさいスイッチ」etc. これらは章題に使われたものですが、これ以外にもたくさんの秘密道具が登場します。
 ミステリの要素はかなり少なくなってしまったけれど、その分人物描写がより深くなった気がします。
 前2作ほど長くはなく、その分構造としてはシンプルになった気がします。感動というか、読後にさわやかな気持ちになることができる作品でした。
 ただ残念なのは、主人公である理帆子に共感しにくい点です。なまじ勉強ができるために、ともすれば他人を見下しがちになり、それを自覚的に隠す理帆子。他人にこっそり(少し、ナントカ)なんてつけている理帆子。見下しながらも元彼との縁が切れない理帆子・・・前2作もそうだったかも知れませんが、読み手としては主人公に共感しにくいというのはやはり辛いものがあります。まあ、僕はそれほどに辛くは感じませんでしたが。
 次作は、もう少しミステリ寄りの作品を期待したいですね。彼女は綾辻ファンなのですから。
2006年6月4日読了
2006.06.04 Sunday 00:00 | た行(辻村深月) | comments(0) | trackbacks(0)

辻村深月『子どもたちは夜と遊ぶ』

子どもたちは夜と遊ぶ(上)子どもたちは夜と遊ぶ(下)
子どもたちは夜と遊ぶ(上)辻村深月

講談社 2005-05-10
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おすすめ平均 star
star上巻だけ
star心の内側にある大事なもの
star人物描写の裏と表に妙味あり!

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子どもたちは夜と遊ぶ(下)辻村深月

講談社 2005-05-10
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starこども
star危険な童謡
starただ切ないだけじゃない

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 2年前のこと。留学がかかった論文の選考が行われた。天才肌の木村浅葱か努力型の狐塚孝太のどちらかだと予想されていたが、2人を出し抜いたのは「i」を名乗る匿名の人物だった。
 こっそり「i」を探し続けた浅葱だったが、2年後に彼のもとに「i」からメールが届いた。「i」は浅葱の双子の兄木村藍だというのだ。再会を望む浅葱だったが、「i」はゲームの提案をしてきた。それは、「i」と「θ」としてクイズに対応した人物を2人で交互に殺しあう殺人ゲームだった。孝太を追ってきた月子や孝太のルームメイト恭司、研究室の先輩萩野たちとの生活は少しずつ狂っていく。


 前作『冷たい校舎の時は止まる』でメフィスト賞を受賞してデビューした辻村さんの2作目。前作では文章にやや冗長な面がありましたが、今作は上下巻2冊にもかかわらずそんなことは感じませんでした。丁寧に人物が描写されていて、それが物語全体にうまく使われています。ただ、いろいろなエピソードを詰め込みすぎている気がします。たとえば、秋山教授は真紀の元彼に囁いた言葉(下巻P65)。何を囁いたのか気になるのですが、最終的に放り出されてしまっています。
 全体としては、寄生蜂のエピソードをうまく利用している感じです。それと感じさせずに。ただ、真相に至るまでの過程と比較すると、終盤で明らかになる真相はやや拍子抜けかな。こういうことを期待してはいなかったので。それでも、8人目の被害者のエピソードには見事に騙されてしまいました。あとから考えれば、伏線らしきものが結構散らばっているのに。

2006年2月1日読了
2006.02.02 Thursday 00:00 | た行(辻村深月) | comments(0) | trackbacks(0)

辻村深月『冷たい校舎の時は止まる』

冷たい校舎の時は止まる (上)冷たい校舎の時は止まる (中)冷たい校舎の時は止まる (下)
冷たい校舎の時は止まる (上)冷たい校舎の時は止まる (中)冷たい校舎の時は止まる  (下)
辻村 深月

講談社 2004-06-08
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おすすめ平均 star
star危険な行為
star上巻
star作られすぎたキャラたち

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辻村 深月

講談社 2004-07-06
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おすすめ平均 star
star前巻
star
starさあ、後一冊。

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辻村 深月

講談社 2004-08-06
売り上げランキング : 51454

おすすめ平均 star
star丁寧。
starそういう
star素晴らしいが、不満点も多い。

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 センター試験も間近に迫った冬の日、登校した深月たちは不思議な力で学校に閉じ込められてしまった。そこには、仲のよかったクラス委員たち以外には生徒も教師もいない。おまけに、時計はすべて5時53分で止まっていた。5時53分。それは、2ヶ月ほど前の学園祭最終日にクラスの1人が校舎の屋上から飛び降りた時刻・・・そして、深月たちは誰一人として自殺した級友の名を思い出せなかった・・・

 第31回メフィスト賞受賞作。
 ミステリとして見れば、自殺したのは誰なのか、どうして校舎に閉じ込められてしまったのか(=「ホスト」は誰なのか)、という2点の謎解きなのでしょうが、そんなことをすっかり忘れて読んでしまいました。だから、下巻で解決編の前に「読者への挑戦」らしきものが挿入されていてびっくりしました。
 さて、デビュー作にして3巻組みの大長編だったわけですが、結果としてみればやはりやや長すぎた気がします。
 もちろん、この物語が成立する条件として、閉じ込められたクラス委員それぞれのエピソードを描くことは必要だったでしょう。実際、バラエティーに富んだ短編小説のようでした。特に8人の心理描写は丁寧で、なかなかうまく8人を書き分けていたように思います。
 ただし、丁寧に書き分けているがゆえに1人にあてる分量が長く、それが8人分ということでこのノベルス3冊という長さになってしまったのでは。この長さを冒頭の2点の謎解きで引っ張るのは少々無理があったように感じられました。まして、この幻想的な青春ミステリにおいて「読者への挑戦」で論理的な解決を求めるのはちょっと・・・

 とは言え、この長い物語を楽しく読んだのは確かなこと。基本的に青春小説は好きなので、多少の瑕疵は気になりません。長くても一気読みしたくなるような物語でした。それだけに、この3冊が3ヶ月に分けて刊行されたことには疑問符をつけたくなります。

 デビュー作だけに、良くも悪くも瑞々しさがあり、同時に粗も見られました。でも、この年の瀬にまた1人今後を期待できる作家さんを見つけた気がします。第2作『子どもたちは夜と遊ぶ』も上下巻の2冊と長めの作品のようです。来年のお楽しみです。

2005年12月26日読了
2005.12.27 Tuesday 00:00 | た行(辻村深月) | comments(0) | trackbacks(0)