こんな夜だから書庫に行こう

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2009.09.29 Tuesday | - | - | -

恩田陸『図書室の海』

図書室の海
図書室の海恩田 陸

新潮社 2005-06
売り上げランキング : 35209

おすすめ平均 star
star才能の宝庫!
star凝縮した魅力
star図書室の海

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 表題作「図書室の海」を含む10編によるノンシリーズの短編集。ノンシリーズということで当然バラバラなのですが、中にはシリーズものの外伝的なものや、他の長編の予告編的なものもあって楽しめました。様々な形で恩田ワールドのエッセンスが満載といったところでしょうか。引き出しの数と深さに思わず感嘆。

●「春よ、こい」
 卒業式で聞いた短歌。その話、以前にどこかでした気が・・・繰り返されるシーンに誘われて、時の迷宮にたどり着いたかのよう。
●「茶色の小壜」
 事故現場で応急処置をする女性は、そつなく仕事をこなす同僚だったが・・・怖さこそあまり感じないのですが、ピリッと毒の効いた作品。
●「イサオ・オサリバンを捜して」
 イサオ・オサリバンとはどんな人物だったのか・・・戦場に散った小さな英雄伝、かと思いきや予想もしなかった展開に。これがどうつながっていくのか、興味があります。
●「睡蓮」
 「源氏物語を知っているか?」そう尋ねる兄とは本当の兄妹じゃない・・・幼き日の水野理瀬の物語。そうか、あの人なんですね。
●「ある映画の記憶」
 思い出した映画の一場面。海にとり残された母に促され陸に向かうが、振り向くとそこに母はいない・・・アンソロジー『大密室』で既読。確かに密室ものですが、それよりも作品全体が持つ雰囲気が印象的。
●「ピクニックの準備」
 高校生活最後のイベント「歩行祭」を明日に控え、準備をしながら考えること。貴子も融も、そして・・・全くの予告編。『夜のピクニック』を再読したくなります。
●「国境の南」
 あの喫茶店の常連達は次々と亡くなっていった。誰もが彼女目当てに通っていたのだが・・・心に秘めていたものは何だったのか。なかなかの怖さと同時に謎を感じます。
●「オデュッセイア」
 意思を持った大地ココロコ。そのすすむ先には何があるのか、どんな人がいるのか・・・ココロコの目線を通した人類と都市の変遷のような物語圧縮版。ぜひとも長編を読んでみたいけれど、短編のほうがいい題材かも。
●「図書室の海」
 夏は卒業した先輩が借りた本を片っ端から探した。だが、どの読書カードにも先輩の名とともにもう一人の名が書かれていた・・・『六番目の小夜子』の番外編。冒頭の読書カードからずっとあの曲が頭を離れませんでした。
●「ノスタルジア」
 集まった人々による告白。それは「最初の記憶」だった・・・恩田作品全般で感じる「懐かしさ」の固まりそのもの。これが原点というのも納得。

 ホラーやファンタジー、ミステリ、SFなど幅広いジャンルをカバーした作品集。しかし、どれもがこれぞ恩田陸というような作品ばかりで、らしさがよく出ています。余韻を残すような終わり方をするものが多く、予告編あるいは番外編としての役割もキッチリ果たしています。恩田ファンには見逃せない1冊。

収録作:「春よ、こい」「茶色の小壜」「イサオ・オサリバンを捜して」「睡蓮」「ある映画の記憶」「ピクニックの準備」「国境の南」「オデュッセイア」「図書室の海」「ノスタルジア」
関連作:『三月は深き紅の淵を』『麦の海に沈む果実』『黄昏の百合の骨』『夜のピクニック
2007年4月19日読了
2007.04.20 Friday 13:50 | あ行(恩田陸) | comments(0) | trackbacks(1)

恩田陸『チョコレートコスモス』

チョコレートコスモス
チョコレートコスモス恩田 陸

毎日新聞社 2006-03-15
売り上げランキング : 35362

おすすめ平均 star
star「つまらない」わけじゃないんだけど・・・
star闇に浮かぶ異世界
star悪くない。後半の盛り上がりは熱い。

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 芸能一家に生まれ、20代前半でありながら注目の若手女優として脚光を浴びている響子。演劇を始めて数ヶ月ながら、天才的な演技で見るものを惹きつける飛鳥。伝説的なプロデューサー芹澤の手によって、2人はめぐりあう機会を与えられた・・・

 うーん、序盤がなぁ、って感じ。ネットなどではすごく評判がいい作品なのですが・・・
 前半、視点がころころと変わるんですよね。そこで、物語の世界に入り損ねたような気がします。
 『ガラスの仮面』へのオマージュから書かれた作品のようですが、僕は『ガラスの仮面』を知らないのです。そのためかどうかわかりませんが、序盤のいろいろな視点が後半でどのように絡むのか予想ができない、というよりも絡むような気がしない。だからまったく別の本を同時進行で読んでいるような気分でした。
 逆に後半は響子の挫折や苦悩、嫉妬、そして高揚といった感情がといった感情にかなり読み応えを感じました。また、緊張感みなぎるオーディションシーンも良かったのですが、演技の部分をもう少し短くしても良かったんじゃないかと。だって、4人が演じるオーディションなら4人を書き分けているとはいえ4回同じシーンが現れるわけですから。

 うーん、どこか損な読み方をしている気が・・・逆境から立ち直ったエリートと怖さを知らない天才。続きがもちろん気になるのです。でも続編こそ『チョコレートコスモス』ってタイトルが合うような。
2006年6月15日読了
2006.06.15 Thursday 00:00 | あ行(恩田陸) | comments(0) | trackbacks(0)

恩田陸『夜のピクニック』

夜のピクニック
夜のピクニック恩田 陸

新潮社 2004-07-31
売り上げランキング : 33334

おすすめ平均 star
star私はとても好きです。
star恩田さんの本で一番好き。
star心を言葉にする天才

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 「歩行祭」、それは一昼夜かけて80km歩くという北高の一大イベント。クラスメイトと、部活の仲間たちと夜歩く、あるいは走る。それだけのことなのに、それは特別なことだった。そして貴子は、この歩行祭に1つの賭けをしていた。

 青春真っ只中。そんなイメージの作品でした。こういうのって十代特有のものじゃないですか。うらやましいような、ちょっと恥ずかしいような、何かそんな感じです。
 やっぱり、こういう作品を書くと、恩田さんのうまさがより際立つような気がします。非常に幅広い作風の恩田さんですが、ミステリやSFよりも青春小説が一番好きですね。ミステリやSFのときのような最後のまとまりの悪さを感じないのです。最後まですっきりとしています。
 なんといってもうまいのは、登場人物の配置にあるように思います。同じクラスになってしまったが、互いの複雑な関係を隠し続ける融と貴子。その2人を取り囲む忍と美和子、留学してしまった杏奈、陽気な高見、そして打算的な内堀。バランスがいいというか、うまい具合に配置されて、よく動くというか。高校時代を思い起こすと「あんな人もいた、こんな人もいた」という感じでしょうか。

 本当に、一昼夜かけて歩くというだけの話だけなのに、読み出したら止めることができない、そんな不思議な作品です。融や貴子はきっと汗だくでボロボロだろうけれど、読み終わったときに爽やかな気持ちにさせてくれます。ぜひ、中高生にも読んでほしいですね。映画化されるそうですが、まず原作から。(映画化は陳腐な作品になってしまいそうで、ちょっと怖かったりします)

 ところで、『夜のピクニック』って語感やイメージはいいけど、ピクニックじゃないよね、これ。

関連作:『図書室の海
2006年6月11日読了
2006.06.13 Tuesday 00:00 | あ行(恩田陸) | comments(0) | trackbacks(0)

恩田陸『麦の海に沈む果実』

麦の海に沈む果実
麦の海に沈む果実恩田 陸

講談社 2004-01
売り上げランキング : 27283

おすすめ平均 star
star面白かった!
starこれを読んだら本が好きになるかも!
star読んで良かった

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 二月最後の日、理瀬は湿原に囲まれた学園にやってきた。そこは「三月の国」と呼ばれるところ。三月以外にやってきた転入生は学園を破滅に導くと言い伝えられていた。理瀬は学園内でもはんぱものの《ファミリー》に加えられたが、そのファミリーでは2人の生徒がいなくなっていた。

 恩田さんの作品を読むとき、いつもどんよりとした曇り空のようなイメージがありました。過去にどこかで書いたかもしれません。天気が描かれているものばかりではなくて、おそらくはやってくるであろう事件や危機といったものへの予感がそんなイメージになっている気がします。
 今回の『麦の海に沈む果実』もそれは同じでした。もちろん、湿原に囲まれた学園で天候が不順といった舞台設定もあるでしょうが、やはり何やら不穏な感じを読み取ったのでしょう。

 さて、『三月は深き紅の淵を』の第4章「回転木馬」の姉妹編ともいうべきこの作品、いなくなった2人はどうなったのかという謎などを解き明かしながら、学園での生活や行事が次々と語られていきます。そしてミステリとして読んでいくと実はファンタジーだった、といった印象でした。似た印象を持ったのは友桐夏さんの『白い花の舞い散る時間』でしょうか。
 人物の書き分けがうまいのか、実際にはありえないようなこの学園にも違和感無く、純粋に物語を楽しむことができました。

関連作:『三月は深き紅の淵を』『麦の海に沈む果実』『黄昏の百合の骨』『図書室の海』『殺人鬼の放課後
2006年5月3日読了
2006.05.08 Monday 00:00 | あ行(恩田陸) | comments(0) | trackbacks(0)

恩田陸『エンド・ゲーム 常野物語』

エンド・ゲーム―常野物語
エンド・ゲーム―常野物語恩田 陸

集英社 2005-12
売り上げランキング : 110572

おすすめ平均 star
star光陰。
star雨の日に読みたい、、、
star先入観なしなら面白い・・・?

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 大学のゼミ旅行から戻った時子のもとにかかってきた電話。それは、母暎子が慰安旅行先で倒れたという知らせだった。ホスピスでひたすら眠り続ける暎子だが、脳をはじめ身体には全く異常がない。冷蔵庫に貼ってあった電話番号のメモがなくなっていたことに気づいていた時子は、暎子が「あれ」に「裏返された」と悟った・・・

 正直、期待はずれ。
 『光の帝国 常野物語』に所収されていた作品の中では最も緊迫感が漂い、やや異質だった「オセロ・ゲーム」。その拝島一家の長編ということで、「裏返す」「裏返される」の「あれ」とのたたかいを想像していたのですが・・・
 途中までは時子にとって誰が味方で、誰が敵なのかよくわからない状態。かなり緊迫していて興味深かったのですが、後半になって読者の予想と期待を欺きだすとともに、何だかだんだんとおもしろさが失われていってしまいました。理屈が理解できてもおもしろくない、興味が持てないのです。
 1シーン1シーンは確かにおもしろいのです、特に中盤まで。ところが、それが物語として連続していかないのです。せめて結末がもう少しおもしろければよかったのに。僕の期待まで「裏返された」ような気分です。

関連作:『光の帝国 常野物語』『蒲公英草紙 常野物語
2006年3月3日読了
2006.03.07 Tuesday 00:00 | あ行(恩田陸) | comments(0) | trackbacks(0)