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評価:
桜庭 一樹
富士見書房
(2006-12)
Amazonおすすめ度:
列車の中という密室で起こった殺人劇、変装、列車暴走、シリーズそのものの伏線。ミステリーの王道らしいミステリー。それと、エプロンドレス!
充実した後書きですな。
ついついニコニコしてしまいます
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「ベルゼブブの頭蓋」から脱出したヴィクトリカと一弥。ふたりは帰路、オールド・マスカレード号で「孤児」「公妃」などと名乗る正体不明の面々と乗り合わせる。だが、6人のうちヴィクトリカを除く5人で興じたゲームの最中、1人が突如苦しみだし・・・
『
ベルゼブブの頭蓋』の後編にあたる長編。冒険と推理の両面を強く打ち出しています。
冒険といってもワンシーンだけですが、やはり『GOSICK』史上に残る名場面でしょう。そして3人の中から真犯人を探し当てる推理。これも真犯人以外の2人がなかなかうまい具合に目眩ましというかカムフラージュになっていて興味深いものです。
もともと「孤児」だの「公妃」だのという偽名を使い虚偽で会話していることからして胡散臭いのですが、誰の言うことが真実で誰の言うことが虚偽なのか、あるいは誰の言うことも虚偽なのか、そのジレンマに苛まれるあたりがおもしろいですね。
それに、真犯人の心情を表現するのにこういう方法を用いるのはちょっと記憶にありません。
大きな二つの戦争の狭間で揺れ動く人々。特に子供たちは大人の事情に翻弄され、巧みに利用され、時に命を落とす・・・そんな過酷な時代を「灰色狼」と「家来」はどのように強く生き抜いていくのか続きが楽しみです。
関連作:『
GOSICK ゴシック』『
GOSICKII ゴシック・その罪は名もなき』『
GOSICKIII ゴシック・青い薔薇の下で』『
GOSICKIV ゴシック・愚者を代弁せよ』『
GOSICKs ゴシックエス・春来たる死神』『
GOSICKV ゴシック・ベルゼブブの頭蓋』
2008年1月22日読了
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