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評価:
山口 雅也
講談社
¥ 600
(2004-08)
Amazonおすすめ度:
ライトミステリー
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依然として縁談がまとまらない垂里家の長女・冴子。今日はこちらで明日はあちらでとお見合いを繰り返すが、いずれも不可解な事件に巻き込まれ、破談に終わってしまうのだ。果たして、冴子は垂里家の呪いを打ち破り、無事嫁ぐことができるのか。
前作『
垂里冴子のお見合いと推理』に続く、お見合いを舞台とした短編集。4編収録。
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「湯煙のごとき事件」
母の策略で、伊豆の温泉宿でそこの息子と見合いをした冴子。浴場で空美が倒れている女性を発見するが、助けを求める間に消えてしまった・・・長さの関係もあるでしょうが、せっかくの怪談話があまり活かされていないような気がします。
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「薫は香を以て」
冴子の見合い相手がエステの研究所に勤務しているのをいいことに、冴子の名を騙ってエステに入り浸る空美だが・・・これはなかなか恐ろしい光景。でも、どう見てもそのうち発覚するのはわかりそうなものですが。
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「動く七福神」
「受験七福人」が七福人像を盗み出す事件が相次いだ。京一の予備校講師のもとでも一体がなくなり・・・伏線が巧みで楽しめます。ただあの人はいけない。
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「靴男と象の靴」
空美は修理を依頼した靴職人が「しめる」だの「殺し」だのとつぶやくのに戦慄するが、男は冴子の見合い相手だった・・・悲しい恋の物語。「エレファント・シュー」という言葉がこんな意味を持っているなんて。
全体に前作同様の楽しさを保っているのですが、それ以上とは感じません。やはり続編としてプラスアルファが欲しかったところ。
とはいえ、ライト感覚ながらも山口さんらしい作りのしっかりしたミステリです。
収録作:「湯煙のごとき事件」「薫は香を以て」「動く七福神」「靴男と象の靴」
関連作:『
垂里冴子のお見合いと推理』
2008年1月5日読了
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