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評価:
坂木 司
角川書店
(2007-09)
Amazonおすすめ度:
浩美の頭の方さが鼻につくけど、憎めない。
ライトノベル的だけれども楽しい♪
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浩美が夏休みのバイト先に選んだのは居心地のいい石垣島。だが、慣れた頃にオーナーの依頼で那覇のホテルに移ることになった。そこはオーナー代理を筆頭に、マイペースで一風変わった人たちがいる宿。宿泊客たちの抱える事情も様々で、浩美は正義感からついつい深入りしてしまう・・・
サキが歯科医でバイトする『シンデレラ・ティース』の姉妹編。サキが選んだのが歯科医なら、浩美はリゾートホテルだったということ。
正義感、責任感が強く、しっかり者というのが浩美のキャラクター。正直、「そこまで深入りする必要があるのか」と言いたくなるほど宿泊客たちの事情に踏み込んでいきます。その宿泊客のためになるときもあれば、そうとも言えないときも。なぜなら、それは自分が持っている枠を人に押しつけるような行為だから。
沖縄という地で、マイペースでアバウトという正反対な人たちに囲まれて、浩美がどのように自分が持っている枠を打ち破るか。ミステリとしては薄いので、そこが読みどころだと思っていました。しかし、失敗したりうまくいかなかったりすることはあっても、自分の枠を打ち破るとまではいかなかったようで残念。
物語は様々なタイプの客の事情がおもしろく、中には沖縄ならではの話もあって興味深いものでした。
坂木さんの作品は、男性よりも女性が主人公の方がいきいきしているように思います。きっと他の作品とリンクして、浩美もまたどこかでちょっとだけ登場するのではないか、そんな気がします。
収録作:「ホテルジューシー」「越境者」「等価交換」「嵐の中の旅人たち」「トモダチ・プライス」「≠(同じじゃない)」「微風」
関連作:『
シンデレラ・ティース』
2007年10月28日読了
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