「“灰色狼の末裔”たちに告ぐ。近く夏至祭。我らは子孫を歓迎する―」この不思議な新聞広告を目にして学園を飛び出したヴィクトリカと追いかける一弥。たどり着いた先は山間の孤立した小さな村。ここはヴィクトリカにとってとても重要な意味を持つ村だった。
もはやライトノベルの枠組みを跳び出した感のある桜庭さんの「GOSICK」シリーズ第2作。
前作『GOSICK』では、どちらかと言えば謎解きよりも冒険小説的なおもしろさを感じたのですが、今回はそれよりもキャラクター小説としての色合いが強いような気がしました。
しかし、それは他の部分が弱くなったという意味ではなく、実際に謎解きも結構おもしろく、特に「過去の事件」での動機には思わず唸らされてしまいました。設定の妙というか、そういうものをトリックや動機に使うだけなら簡単なのかもしれません(というかそのための設定)が、それだけでなくヴィクトリカと一弥のキャラクター作りにも活かされていて「うまいなぁ」と。
ミステリ的にもライトノベル的にも楽しむことができる、まさに2度おいしい作品です。
それにしても、最初と最後しか出てこない割にインパクトがあるアブリル。彼女がこの先活躍するような物語は用意されているのでしょうか。
2005年9月21日読了
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