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2009.09.29 Tuesday | - | - | -

麻耶雄嵩『メルカトルと美袋のための殺人』

評価:
麻耶 雄嵩
講談社
---
(2000-08)
Amazonおすすめ度:
ひどい探偵
やっぱりすごいわ
メルカトルと美袋のための殺人
 招待され、別荘にやってきた美袋は、そこで初めて会った佑美子に惹かれた。だが夜中に起きた殺人事件で別荘の主大垣は殺害され、佑美子も死体で見つかった。有力な容疑者とされてしまった美袋は窮地に陥るが・・・「遠くで瑠璃鳥が啼く声が聞こえる」

 タイトルどおり、銘探偵・メルカトル鮎と美袋三条が登場する短編集。
 とにかくメルカトルの鬼畜振りが印象的で、美袋が惨めなことこの上ない作品集。しかしそれだけでなく、同時に本格ミステリとしての解決・結末の美しさやおもしろさを持った短編集です。
 例えば冒頭の「遠くで瑠璃鳥の啼く声が聞こえる」。この余韻をいつまでも残すような結末はどうでしょう。有無を言わせぬような真相ですが、それが美袋を傷つけ、あるいは励ますというなんとも言えない趣き。
 他の作品も粒ぞろいで、それぞれに一捻り、もう一捻りとされた結末が見事で、印象的です。もちろん、その色合いは鮮やかとは言いがたいものばかりですが。

 そんな中、異色に感じられるのが最後の「シベリア急行西へ」です。メルカトルと美袋が乗り込んだシベリア急行の車内で起きた殺人事件を扱った作品。これがレッドヘリングを活用したオーソドックスな本格ミステリで、それゆえにこの作品集の中では少々毛色の異なる浮いた存在のように感じてしまいます。ただし、メルの人間性は相変わらずです。
 こんな作品集ですが、麻耶作品への取っ掛かりとしては最適かも知れません。この作品集を気に入れば、エキセントリックな他の数々の長編群も乗り越えられるということで。

収録作:「遠くで瑠璃鳥が啼く声が聞こえる」「化粧した男の冒険」「小人竜鎔拮堊院廖嵜綟顱廖屮離好織襯献◆廖嶐牌咾┐詒袋」「シベリア急行西へ」
関連作:『翼ある闇』『夏と冬の奏鳴曲』『
2007年12月27日読了
2008.01.04 Friday 22:08 | ま行(麻耶雄嵩) | comments(0) | trackbacks(0)

麻耶雄嵩『神様ゲーム』

神様ゲーム
神様ゲーム麻耶 雄嵩

講談社 2005-07-07
売り上げランキング : 37415

おすすめ平均 star
star分かりやすいのに、全然分からない
star驚異の崩壊
star誰に読ませたいのか、何を読ませたいのか?

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 神降市で連続猫殺害事件が発生。小学4年生の芳雄は、浜田町の仲間たちと結成している『浜田探偵団』で犯人探しに乗り出した。一方、芳雄は掃除当番をきっかけに転校生の鈴木君と言葉を交わすようになる。鈴木君は自分のことを「神様」であるといい、事件の犯人の名をあっさりと告げた・・・

 「かつて子どもだったあなたと少年少女のための―」と銘打たれた講談社のミステリーランド第7回配本。
 って言うか、これ少年少女が読んじゃだめでしょ。お子様向けにしてはあまりにも酷い内容です。まぁ、このシリーズで彼が執筆者のメンバーに入っている時点で覚悟しなくてはいけないでしょうね。

 さて、この作品の特筆すべきところは「神様」というガジェットを扱っていることでしょう。
 僕は、ごく一般的なミステリの展開は「事実と思われるものの積み重ね」→「真相」というものだと思っています。そしてこの「事実と思われるものの積み重ね」が不確定だからこそ起こるものがどんでん返しであり、推理合戦ではないかと。
 ところが、この『神様ゲーム』では絶対的な存在である「神様」を用いることによって、本来「事実と思われるものの積み重ね」であるものを「事実の積み重ね」に確定してしまい、推理の余地をなくしてしまっています。神様が告げたことはすべて真実なのです。神様は絶対なのです。
 ですが、そういった今までとは違った世界を構築しておきながら、作者は自らの手によって最後に「真相」と「事実と思われるものの積み重ね」だけを提示し「事実の積み重ね」を隠すことによって、その世界そのものを「事実」から「事実と思われるもの」に変容させてしまっています。がらりと変わってしまう世界。しかも黒い世界。これこそ麻耶雄嵩の持ち味でしょうか。

 自分でもなんだかよくわからない感想になってしまいましたが、とりあえず言えることは、「あまり子どもには読ませたくない」ということです。

2006年2月26日読了
2006.02.28 Tuesday 00:00 | ま行(麻耶雄嵩) | comments(0) | trackbacks(0)

麻耶雄嵩『あいにくの雨で』

あいにくの雨で
あいにくの雨で麻耶 雄嵩

講談社 1999-05
売り上げランキング : 551741

おすすめ平均 star
star今までの
starメルカトル鮎抜きの方がわかりやすい
starこの著者の中ではオーソドックス

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雪に囲まれた廃墟の塔で密室殺人が発生した。現場には塔へ向かう足跡が一筋だけ。殺されたのは発見者の一人、祐今の父だった。かつて同じ密室状態のこの塔で祐今の母が殺され、容疑者として逃亡中だった。事件が解決せぬままに呪われた塔では三度目の殺人が。新本格ミステリ第二世代の旗手が密室を変えた。

 既作とは異なる雰囲気を持つ麻耶さんの第4長編。学校を舞台とした青春ミステリのような側面も持っていて、法月さんのデビュー作『密閉教室』を彷彿させます。今までの派手さ、造形美とは一線を画した世界で、真相が我々を驚かせるにも関わらず、物語は静かに始まり、静かに幕を下ろします。降り積もる雪のように・・・従来の麻耶作品のイメージを残すのは、烏兎、獅子丸、祐今などという名前と、学園のシステムだけでしょう。

関連作:『夏と冬の奏鳴曲』『
1999年6月9日読了
1999.06.09 Wednesday 00:00 | ま行(麻耶雄嵩) | comments(0) | trackbacks(0)

麻耶雄嵩『痾』

痾麻耶 雄嵩

講談社 1999-01
売り上げランキング : 570970

おすすめ平均 star
starメカルトル未だわからず、でも何故か読んでしまう
starオフビートかつ過剰

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忌まわしい和音島の殺人事件の後遺症で記憶喪失になった如月烏有は、記憶をとり戻そうと寺社に連続放火。すると焼け跡からは焼死体が発見される。その彼のもとに「今度は何処に火をつけるつもりかい?」と書かれた手紙が届く。烏有は連続放火殺人犯なのか?名探偵メルカトル鮎が真相に迫る新本格ミステリ。

 麻耶雄嵩さんの第3長編。前作『夏と冬の奏鳴曲』の続編に位置するけれど、前作から引き継がれているはずの不可解な謎に対する解答は何ひとつ示されなかった気がします。おそらく絶対に解けないであろうトリック。それは今までのミステリにあった密室だのアリバイだのと呼ばれるものを、全く無にしてしまおうとしています。彼はこれからもこの調子で書き続けるのでしょうか。そして烏有と“桐璃”はどうなるのでしょうか。

関連作:『夏と冬の奏鳴曲』『あいにくの雨で
1999年1月19日読了
1999.01.19 Tuesday 00:00 | ま行(麻耶雄嵩) | comments(0) | trackbacks(0)

麻耶雄嵩『夏と冬の奏鳴曲』

夏と冬の奏鳴曲(ソナタ)
夏と冬の奏鳴曲(ソナタ)麻耶 雄嵩

講談社 1998-08
売り上げランキング : 145448

おすすめ平均 star
starなんなのこれ
star非合理的だが魅力的な作品
star評価の分かれる作品

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首なし死体が発見されたのは、雪が降り積もった夏の朝だった!20年前に死んだはずの美少女、和音の影がすべてを支配する不思議な和音島。なにもかもがミステリアスな孤島で起きた惨劇の真相とは?メルカトル鮎の一言がすべてを解決する。

 近年最大の問題作。作者の意図、物語、このすべてを理解することができた人はいるのでしょうか。キュビスム理論、和音島、編集長、春と秋の奏鳴曲、2人の桐璃、神としての和音、展開、烏有の心、そしてラスト3ページにのみ登場する看板銘探偵メルカトル鮎・・・確かに、殺人の謎は全て解かれました。物語は巧みに犯人を隠していました。しかし、物語としての謎は何も解決していない、そんな感覚が残りました。この読後感さえも、作者の意図したことでしょうか。

関連作:『』『あいにくの雨で
1999年1月12日読了
1999.01.12 Tuesday 00:00 | ま行(麻耶雄嵩) | comments(0) | trackbacks(0)