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2009.09.29 Tuesday | - | - | -

五十嵐貴久『誘拐』

評価:
五十嵐 貴久
双葉社
---
(2008-07)
Amazonおすすめ度:
湘南ダディは読みました。
矛盾している
ドンデン返しはイマイチだが、退屈しない面白さ
 勤務していた旅行代理店でリストラ役に回された秋月孝介。リストラ勧告した先輩社員の一家心中や、それに起因した娘の自殺と離婚も経験した彼は、自らも退職した後にひとつの行動を起こした。誘拐。彼は時の総理佐山の孫娘百合を誘拐したのだ・・・

 これは読ませますね。冒頭から強く引き込まれます。
 読み手としては、秋月が抱えている事情は承知しているので、事件そのものの顛末が気になるのと同時に、どうして秋月は誘拐事件を起こしたのか、どうして佐山百合だったのか、どうつながるのかというところを追いかけてしまいます。
 事件は犯人の秋月、総理の佐山、そして捜査にあたる警察と主に3者の動きで進みます。それぞれの理由から緊迫感が伝わってきておもしろいですね。
 もっとも、結末で明らかになるその真相はいささか腑に落ちないものでした。事件がなかなか手の込んだものだったのと比較すると、その動機が若干弱いように感じてしまいます。もっとも、読者には計り知れないような心情が存在するのかもしれませんが、少し残念です。
 さらに言えば、これだけ凝った犯罪を起こしておきながら、実は秋月は捕まりたかったのではないか、あるいは自分へたどり着く手がかりを見つけてほしかったのではないかと想像してしまいました。

 五十嵐さんは幅の広い作風で知られていますが、こういった緊迫感を前面に打ち出したような作品が一番好きですね。『TVJ』もよかったですし、『交渉人』も早く読みたいと思います。
2008年9月3日読了
2008.09.11 Thursday 17:53 | あ行(五十嵐貴久) | comments(0) | trackbacks(0)

五十嵐貴久『For You』

評価:
五十嵐 貴久
祥伝社
¥ 1,890
(2008-03)
Amazonおすすめ度:
叔母の青春時代と現代を生きる姪の恋が美しい二重写しとして描かれる。
奥ゆかしさが新鮮でした
生涯を賭けた恋
 朝美は映画雑誌の編集者。難しいとされる韓流スター、フィル・ウォンのインタビューという問題を抱えていた。叔母の冬子さんが亡くなったのは1ヶ月前。朝美にとって彼女は亡き母の妹として幼い朝美を育ててくれた人だった。冬子さんの遺品を整理中に出てきた日記。そこには、彼女の高校、大学時代のことがいきいきと綴られていた・・・

 これはよかった。
 朝美が冬子さんの高校・大学当時の日記を読むことで、現在の朝美と当時の冬子さんのパートが交互になる構成。
 とにかく、80年代の青春を謳歌する冬子さんのパートがよかったです。瑞々しく、いきいきとした青春。転校生・藤城とのちょっと控えめで、かわいらしいほどの恋。お互いに好意を抱いているのがわかりながら、それでいてあと一歩が踏み出せない冬子さん。きっと今では考えられないような。まるで胸のドキドキが伝わってくるかのよう。
 でも80年代って、みんなそうだったような気がします。携帯電話もインターネットもない時代。東京に憧れ、東京を怖れ、サザンやタツロー(章題はすべてタツローの曲から)、ユーミンやオフコースを聴く。江ノ島へ遊びに行くくだりでは、受験戦争前の嵐の前の静けさのような頃を思い出しました。確かにあの頃、これが最後とばかりに遊んだものです。

 一方、朝美の毎日は仕事に追われるばかり。この辺がのんびりした雰囲気の冬子さんたちの青春時代との対比のようで面白いですね。
 最後の最後で不意打ちのような真実が出てきて、面食らいました。あれもこれも伏線なのかと驚くのとともに、冬子さんの抱えていた想いにうれしくなります。爽やかな気分で閉じることができる1冊でした。

 余談ですが、装画はタツローの名盤『FOR YOU』(1982年)のジャケットも担当していた鈴木英人。80年代にあの「FM STATION」誌の表紙を担当していた鈴木英人です。こういった演出もまたうれしいものです。
2008年4月29日読了
2008.05.01 Thursday 14:55 | あ行(五十嵐貴久) | comments(0) | trackbacks(0)

五十嵐貴久『パパとムスメの7日間』

パパとムスメの7日間
パパとムスメの7日間五十嵐 貴久

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 もしもいまどきの女子高生をしているムスメと、中間管理職をしているさえないパパが入れ替わってしまったら・・・電車に乗っていた途中で起きた地震のショックで人格が入れ替わってしまった大嫌いなパパと最愛のムスメ。学校はもうすぐテストだし、大切なプロジェクトの御前会議も控えている。おまけにケンタ先輩との初デートも。はたして2人はどうやって切り抜けていくのか・・・。

 『TVJ』以来、久しぶりに読む五十嵐さんの作品。作風広いですね。ホラーあり、時代物ありと1作ごと作風が異なります。器用貧乏にならなければいいと思うのですが。
 さて、今回のテーマは入れ替わり。すぐ思いついただけでも東野圭吾『秘密』とか山中恒『おれがあいつであいつがおれで』なんてところがあるのですが、今作はドタバタをおもしろおかしく描いたエンターテインメント。難しいことを考えずに読み進めることができます。(ただし、最愛の娘に嫌われてしまったパパとか、業績下降中の老舗に勤める中間管理職の方は別かも)
 小梅(ムスメ)が恭一郎(パパ)に自分の体を見られたくないがために目隠しで入浴させたり着替えさせたりするシーンや、イメージダウンを狙って恭一郎がケンタ先輩の前でビッグマックのセットを食べ散らかすシーンなど、お互いの利害関係や譲れない想いが映し出されています。しかし反対に、入れ替わってみて初めてわかるお互いのおかれた環境や苦労というものもあり、ほろ苦さを感じさせてくれます。
 そして、なんといっても痛快だったのは御前会議。企業社会のことなんて何も知らないはずの小梅が黙っているように指示されていたにもかかわらず・・・中盤にやや中だるみを感じ残念だったものの、御前会議以降の緊迫感はさすが。
 それにしても五十嵐さん、これ書くのにきっと女子高生のこととかフレグランスのこととかかなり調べたんだろうな。現実ではありえない設定(入れ替わり)なのに、なんだかリアリティがありすぎます。これくらいちゃんとリサーチしたほうがいいですよ、光聖堂のお偉いさんたち。
2007年2月15日読了
2007.02.18 Sunday 23:36 | あ行(五十嵐貴久) | comments(2) | trackbacks(0)

五十嵐貴久『TVJ』

TVJ
TVJ五十嵐 貴久

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 全館コンピュータ制御など、最新の設備を備えた25階建てのテレビ局、テレビジャパンがテロリストにのっとられた! 偶然が重なって難を逃れた経理部の由起子は、拘束された人質の一人である婚約者の圭を救おうと、テロリストたちを相手に敢然と立ち上がる。一方警察は、交渉のスペシャリスト大島を用意するが・・・

 一言で表現するならば「おもしろい」。ほぼ一気読みでした。最初、「〜した」「〜だった」という文章がひどく目に付き、読みにくく感じたのですが、途中からはぐいぐい引っ張られる感じで、そんなことすっかり忘れてしまいました。
 とにかく、由起子がごく普通のOLなだけに何もできない。ビル全体の重要なシステムについても、テロリストたちのほうがよっぽど熟知している。ただ由紀子が勝っていること、それはビルについて重要ではないことを知っていること。

 由紀子の行動や展開がご都合主義だという批判もあるかもしれませんが、僕は全く気になりませんでした。まあ、エンターテインメントなんて大なり小なりそういった要素は入っていると割り切っていますから。
 交渉人大島が、優秀であるがゆえにテロリストの予想した行動の枠を出られず、道化のようになってしまうのが残念。もう少し彼の見せ場をつくってほしかったです。

 お台場の某テレビ局あたりが、局アナ総動員で映像化しそうな作品です。
 ちなみに、この作品は第18回サントリーミステリー大賞優秀作品賞受賞作だそうです。
2005年4月23日読了
2005.04.28 Thursday 00:00 | あ行(五十嵐貴久) | comments(0) | trackbacks(0)