こんな夜だから書庫に行こう

はてなから感想の保管作業終了!!
現在、10年ほど前の一言感想をアップしています。
<< June 2017 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>

Profile

Selected entries

Category

Archives

Links

BlogPeople

STARLIGHT mini

あわせて読みたい

あわせて読みたい

RECOMMEND

RECOMMEND

RECOMMEND

RECOMMEND

Comment

Trackback

Other


  • Admin
  • RSS1.0 | Atom0.3
  • Template by Dsh+
  • Powered by JUGEM

スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

2009.09.29 Tuesday | - | - | -

アンソロジー『Story Seller』

評価:
新潮社
(2008-04-10)
Amazonおすすめ度:
思わぬ『掘り出しもの』も…?
お買い得です。
いい!
 一人の編集者が独自に編集したアンソロジー。「面白いお話、売ります。」表紙のその言葉に嘘偽りはありません。

伊坂幸太郎「首折り男の周辺」
 テレビを見て隣人を「首折り男かも」と疑った安永夫妻。首折り男の特徴は確かに隣人にピッタリだったが・・・視点を頻繁に切り換えることで読者を煙に巻くようなお得意のテクニック。登場する二人の容姿が似ているため、厄介なことこの上ないですが、非常に伊坂さんらしい作品。ただ少々物足りないかも。
近藤史恵「プロトンの中の孤独」
 「チーム・オッジ」に加入した赤城。なんとなく溶け込めない彼だったが、溶け込もうとしない石尾の相談役を任された・・・『サクリファイス』外伝。外伝だけに本編の引立て役に徹した印象。アシスト役ということか。未読の方はぜひ本編も読んでください。
有川浩「ストーリー・セラー」
 売れっ子作家になった妻が襲われた病は、思考することと引き換えに寿命を失う奇病だった・・・勘弁してください、涙腺を攻めるのは。恥ずかしくなるほどストレートなラブストーリーですが、甘さと苦さを併せ持つ作品。いつもの有川さんの甘いばかりのラブストーリーのつもりで読むと痛い目に遭います。どこか有川さんご本人とダブるのですが、こんな運命が訪れないことを祈ります。
米澤穂信「玉野五十鈴の誉れ」
 旧家の跡取り娘純香。彼女の誕生日に祖母から贈られたものは、同い年の使用人五十鈴・・・「バベルの会」シリーズの一編。「で、このあとどうなったの?」と思わせるまとめ方がうまい。ただ、終盤の大逆転に慌しさと都合のよさを感じてしまったことが残念。
佐藤友哉「333のテッペン」
 東京タワーのてっぺんで起きた殺人事件。掴んだはずの平凡な日常は、様変わりしていく・・・初めて読んだユヤタンは、予想していたよりもおとなしい印象。もっと過激なものを書くのかと思っていました。いつもこういった感じの作品なのでしょうか。そういえば、似たような感じのミステリをひとつ、思い出してしまいました。随分前に読んだものですが。
道尾秀介「光の箱」
 同窓会の会場に向かう圭介は、懐かしい日々を思い出していた。それは光と闇の日々、そして弥生のこと・・・やられた。こういう作品を書くだろうことは予想できるのに。暗闇の中、たった一筋の光明でも、あきらめなければいつか光射す明るいところへ出られる。
本多孝好「ここじゃない場所」
 私が秋山を見つめるのには理由がある。それは、彼が私の目の前で消えたからだ・・・静謐な作品を書くイメージがあったのですが、こういう作品を書くとは予想外。このシリーズはおもしろそうで、ちょっと追いかけてみたい。

 とにかく豪華なメンバーで、内容も充実しています。中編が揃っているだけに読み応えがあり、これで780円というのはかなりコストパフォーマンスがいいのではないでしょうか。雑誌の形態をとっているのでいまだに店頭に並んでいるか定かではありませんが、見つけたら迷わずレジまでダッシュすることをオススメします。
 こんな豪華な作品集、また読ませてください。

収録作:伊坂幸太郎「首折り男の周辺」/近藤史恵「プロトンの中の孤独」/有川浩「ストーリー・セラー」/米澤穂信「玉野五十鈴の誉れ」/佐藤友哉「333のテッペン」/道尾秀介「光の箱」/本多孝好「ここじゃない場所」
関連作:近藤史恵『サクリファイス
2008年7月2日読了
2008.07.09 Wednesday 19:18 | その他(その他) | comments(0) | trackbacks(0)

アンソロジー『告白。』

評価:
芦原 すなお,岩井 志麻子,若竹 七海,岸 虎次郎,本沢 みなみ,安藤 由希,前川 麻子
ジャイブ
¥ 567
(2006-09)
Amazonおすすめ度:
懐かしさでほんわかしました
 ピュアフル・アンソロジーの第2弾は『告白。』。告白にもいろいろなものがありますね。
●前川麻子「靴を買う」
 母は、靴だけで顔も見たことのない男に恋した・・・読み返すたびに新しいものが見えてくる。そんな感じ。
●安藤由希「すばらしき日々」
 でぶのかっちゃんが告白した相手はなんと・・・なんてことはないかもしれないけれど、爽快な気分になりました。
●本沢みなみ「自転車くるくる」
 自転車置場にあるはずの自転車がない・・・連鎖の面白みがあるのですが、自転車目線はいらないでしょう。そのほうがスマート。
●岸虎次郎「マルスのキス」
 優等生の美紀が彫像に口付けるのを見てしまった・・・予想外の展開に驚き。メガネって、そんなに気になるんでしょうか。
●岩井志麻子「形見の花園の廃園」
 逃げ出したいとも、どこかに行きたいとも思わなかった・・・告白には告白なのですが、ちょっとこの場に組み込むのは場違いな気がしました。
●芦原すなお「木霊」
 父、兄の後を継いだ院長が思い出すのは、初恋の日々・・・想定していなかった仕掛けの意外性がうれしかったです。
●若竹七海「話を聞いて」
 ドジなお嬢様が見つけたのは素っ裸の女の死体だった・・・今回も舞台は葉崎。相変わらずのブラックな展開がいいですね。これ、登場人物がリンクしていたりするのでしょうか。

 「話を聞いて」をお目当てにしていたのですが、これが楽しくて何より。このピュアフル・アンソロジーではほかに『卒業。』『手紙。』に若竹作品が収録されているので、こちらも楽しみです。

収録作:前川麻子「靴を買う」/安藤由希「すばらしき日々」/本沢みなみ「自転車くるくる」/岸虎次郎「マルスのキス」/岩井志麻子「形見の花園の廃園」/芦原すなお「木霊」/若竹七海「話を聞いて」
2008年5月10日読了
2008.05.15 Thursday 22:20 | その他(その他) | comments(0) | trackbacks(0)

アンソロジー『I LOVE YOU』

評価:
伊坂 幸太郎,石田 衣良,市川 拓司,中田 永一,中村 航,本多 孝好
祥伝社
¥ 630
(2007-09-01)
Amazonおすすめ度:
ありがちなドラマだけど・・・恋はフシギ☆
平均点の高い恋愛アンソロジー
お買い得!
 タイトルどおり、恋愛をテーマにした6人の男性作家によるアンソロジー。
●伊坂幸太郎「透明ポーラーベア」
 千穂との遠距離恋愛突入が決まった僕がデート中に動物園で会った富樫さんは、姉の元恋人・・・そつのない一編。やさしく、あたたかみのある伊坂さんらしい作品です。「繋がっている」ことの幸せを味わいましょう。
●石田衣良「魔法のボタン」
 恋人と別れて憔悴していた隆介は、飾りっけのない幼馴染・萌枝と待ち合わせた・・・いい話だとは思いますが、本当にそんなボタンを押していたりしたらちょっと恥ずかしいのでは? 相変わらずうまいです。
●市川拓司「卒業写真」
 「木内さん?」突然声をかけてきた熊のような男は、同級生の渡辺だと名乗ったが・・・このベタな題材はキライではないのですが、この語り口はちょっとあいませんでした。読みにくい。
●中田永一「百瀬、こっちを向いて」
 人間レベルが低い僕は、幼馴染の宮崎先輩からの頼みごとを引き受けた・・・なかなかおもしろい恋愛小説でした。この方は某有名作家の別名義ということですが、もし噂されている方なら「人間レベル」という設定はなるほどと感じます。
●中村航「突き抜けろ」
 彼女とルールを決めての交際。まあ順調だったが、友人の坂本に頼まれ先輩の木戸さんに会ったことで・・・どちらかと言えば、恋愛よりも友情に重きを置いた一編。ここだけ読むとちょっとよくわからない部分もあるし、場違いな気もしますが、加筆されて『絶対、最強の恋のうた』の一部になっているようです。
●本多孝好「Sidewalk Talk」
 彼女を待つのはもう何度目だろうか。今日が最後の日なのに・・・離婚を決めた夫婦の最後のディナー。とにかく切ない。僕の中での本多評が上がった気がします。この後が気になる一編。

 アンソロジーは、未読や積読の作家を読むきっかけになります。今回、僕は中村さんや本多さんの積読本を読みたくなりました。
 これだけ豪華なメンバーが揃っているアンソロジーなので、誰か一人でも好きな作家がいたら手にとって欲しいですね。
 個人的には昨今の書き下ろしアンソロジーブームの火付け役になったと思っている作品集です。

収録作:伊坂幸太郎「透明ポーラーベア」/石田衣良「魔法のボタン」/市川拓司「卒業写真」/中田永一「百瀬、こっちを向いて」/中村航「突き抜けろ」/本多孝好「Sidewalk Talk」
2008年5月6日読了
2008.05.12 Monday 22:47 | その他(その他) | comments(0) | trackbacks(0)

アンソロジー『川に死体のある風景』

評価:
綾辻 行人,有栖川 有栖,歌野 晶午,大倉 崇裕,佳多山 大地,黒田 研二
東京創元社
¥ 1,890
(2006-05-27)
Amazonおすすめ度:
6度楽しめる!!
6人6様
 6人のミステリ作家が「川に死体のある風景」をテーマに競い合うアンソロジー。

●歌野晶午「玉川上死」
 太宰が入水自殺した玉川上水に浮かぶのは、紺色のジャージを着た・・・死体じゃありません。「川ミス」の縛りにのっけから変化球ですが、それを使っただけのおもしろさはあります。ミステリとしては直球。
●黒田研二「水底の連鎖」
 その川に飛び込んだ車は1台のはずだったが・・・次々と引き上げられる車という謎がなかなか魅力的。ただ結末はちょっと強引か。
●大倉崇裕「捜索者」
 捜索隊の留守番役は、なぜか沢で遺体となって発見された・・・「山ミス」あるいは「沢ミス」です。徐々に真実が見えてくるさまは興味深いですが、実現性には無理があるような気がします。近いうちにまとまるであろう「山ミス」集を読みたくなります。
●佳多山大地「この世でいちばん珍しい水死人」
 伯父を探しにコロンビアまで来た僕は、伯父が絡んだ死体が川に浮かんだ話を聞かされた・・・複雑な構成で読みにくいのですが、最後には鮮やかに世界を反転させてくれます。今後に期待。
●綾辻行人「悪霊憑き」
 散歩中の川に浮かぶ死体は奇行を繰り返した女だった・・・「この世には不思議なことなど何もない」という言葉のとおり、きれいにまとめられた一編。ただ、これもいいけれどやはりあとがきにあったアイデアをぜひ読んで見たいです。
●有栖川有栖「桜川のオフィーリア」
 桜川の浅瀬に浮いた同級生の死体は美しく、眠っているかのようだった・・・美しい映像が目に浮かぶような作品。ロマンチシズムに満ち溢れています。ところで桜川って『女王国の城』でどういう扱いだったでしょう。

 全体に他の作家との差別化のためか、奇をてらうようなひねり方が多かったようです。ただ、そのためか川に死体が浮くこととの関係が薄く感じられ残念でした。
 橋の上から、あるいは土手や堤防からちょっとあやしいものが見えたりすると「あれは!」と思ってしまう今日この頃です。

収録作:歌野晶午「玉川上死」/黒田研二「水底の連鎖」/大倉崇裕「捜索者」/佳多山大地「この世でいちばん珍しい水死人」/綾辻行人「悪霊憑き」/有栖川有栖「桜川のオフィーリア」
2008年3月9日読了
2008.03.12 Wednesday 22:19 | その他(その他) | comments(0) | trackbacks(0)

アンソロジー『午前零時』

評価:
鈴木 光司
新潮社
¥ 1,365
(2007-06)
Amazonおすすめ度:
企画が斬新?
 タイトルどおり、「午前零時」をテーマとしたアンソロジー。13人の作家のうち8人は初読の作家(*印)でした。
 真夜中、しかも今日と明日、あるいは昨日と今日が入れ替わる瞬間をテーマにしているだけに、やはりホラー系の作品が多いようです。
 尺の都合上、物語に奥行きや深みを感じるのはなかなか難しいですね。そんな中、物語に雰囲気を感じたのが「1、2、3、悠久!」と「ラッキーストリング」。でも、すきなのはなんとも切ない「午前零時のサラ」とスマートな「真夜中の一秒後」です。

●鈴木光司 「ハンター」*
 スマートな短編。最後までこんな構造になっているとは思いもしませんでした。『リング』『らせん』の鈴木さんがこんな作品を書くとは!
●坂東眞砂子 「冷たい手」*
 枯れていく自分への恐怖と自責の念の間で揺れる。
●朱川湊人 「夜、飛ぶもの」*
 これが空を飛ぶところを見てみたい気もします。が、本当にブーメランのように向かってきたら恐ろしいでしょう。
●恩田陸 「卒業」
 既読。『朝日のようにさわやかに』参照。
●貫井徳郎 「分相応」
 長編の序盤だけをかじらされたような感覚。で、このつづきは?
●高野和明 「ゼロ」*
 なかなかおもしろいのですが、既読感漂うネタのため途中で気づいてしまったのが残念。
●岩井志麻子 「死神に名を贈られる午前零時」*
 怖さというよりも不気味さを感じた作品。もう深夜番組の背景のようにいる人たちを見られない?
●近藤史恵 「箱の部屋」
 その生活ぶりや結末に至る過程よりも、片付けに丸一日以上かかるという状況に驚嘆。
●馳星周 「午前零時のサラ」*
 変わっていく関係と変わらない関係。変わっていく関係はなんとも哀しく、変わらない関係はなんとも切ない。
●浅暮三文 「悪魔の背中」*
 ユーモラスかつ上手くまとまった作品。悪魔の背中はどんなだったろう。
●桜庭一樹 「1、2、3、悠久!」
 いかにも桜庭さんらしい姉妹が登場。最後のオチが上手くはまったけれど、それ以上のものは感じなかった。
●仁木英之 「ラッキーストリング」*
 オチはよかったけれど、そこまでがちょっと長すぎ。異国情緒は出ているのだが・・・
●石田衣良 「真夜中の一秒後」
 午前零時の使い方がなかなかおもしろかった。最後が未来を感じられるこの作品でよかったと思わずにはいられません。

 アンソロジーは読んだことない作家さんを知るいい機会だと思っています。今回も気になる出会いがちらほらとあり、今後が楽しみです。

収録作:鈴木光司 「ハンター」/坂東眞砂子 「冷たい手」/朱川湊人 「夜、飛ぶもの」/恩田陸 「卒業」/貫井徳郎 「分相応」/高野和明 「ゼロ」/岩井志麻子 「死神に名を贈られる午前零時」/近藤史恵 「箱の部屋」/馳星周 「午前零時のサラ」/浅暮三文 「悪魔の背中」/桜庭一樹 「1、2、3、悠久!」/仁木英之 「ラッキーストリング」/石田衣良 「真夜中の一秒後」
2007年7月30日読了
2007.07.31 Tuesday 19:33 | その他(その他) | comments(0) | trackbacks(0)