こんな夜だから書庫に行こう

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2009.09.29 Tuesday | - | - | -

東野圭吾『聖女の救済』

評価:
東野 圭吾
文藝春秋
¥ 1,700
(2008-10-23)
Amazonおすすめ度:
東野作品らしくない平板さ
かなり正当な推理小説
ちょっと現実離れした感が・・・
 真柴はとうとう持ち出した。結婚から一年経って子供を授からなければ離婚するというあの約束を。だが、真柴が自宅で死んだとき、妻の綾音は北海道の実家にいたのだ。どうしたら夫を殺害できるというのか。意見を違えた草薙と内海はそれぞれに捜査を進めた・・・

 「探偵ガリレオ」シリーズの第二長編。周知のことながら、第一長編は『容疑者Xの献身』であり、比較される運命からは免れられない作品です。
 結論から言えば、僕はこっちのほうがよかった。
 別に、石神のような男が出てくるよりも聖女が登場する方がいい、というわけではありません。もちろん。
 なんと言っても、この突拍子もないトリックが衝撃的でした。
 もう、このトリックひとつのために長編を書いたかのようなトリックです。人によっては「バカミス」と解釈することもあるでしょう。まさに一発勝負の大ネタです。
 正直なところ実現可能でも実行しないであろう類のもの。湯川がこれを評して「虚数解」というのも理解できますね。
 このトリックを生み出す発想がとにかく素晴らしいと思うのです。また、この犯人、この状況ならば実行し得るというキャラクター設定もされていて、感心してしまいます。他のトリックを使った可能性もしっかり消されていて、無理のない展開でした。

 加えて、今回は内海・湯川組と草薙による二方面作戦のような捜査の比較がなかなかおもしろいものになっています。なかでも草薙のジレンマというか、心理的葛藤が物語の深みを増しています。
 『容疑者Xの献身』で最高峰まで上り詰めた東野さん。
 できるなら加賀刑事と湯川准教授との対決も見てみたいなあ。
 また映像化されたらこの犯人は誰が演じるのだろう。そんなことを考えてしまいますね。
関連作:『探偵ガリレオ』『予知夢』『容疑者Xの献身』『ガリレオの苦悩
2009年1月24日読了
2009.02.05 Thursday 23:12 | は行(東野圭吾) | comments(0) | trackbacks(45)

東野圭吾『ガリレオの苦悩』

評価:
東野 圭吾
文藝春秋
¥ 1,600
(2008-10-23)
Amazonおすすめ度:
難解度アップ!
こんなに軽い感じなんですね。
どうしちゃったの?東野さん
 もう捜査に協力しないと決めていた湯川。それでも、警察からの捜査協力の依頼はまたもやって来る。その依頼がいつもと違うのは、湯川を訪ねたのが草薙ではなく女性刑事であることだった・・・

 『聖女の救済』と同時に刊行された「探偵ガリレオ」シリーズの新作。こちらは短編集です。
「落下る(おちる)」
 マンションの自室から落下した女性が死亡した。直前に部屋にいたという男性は、女性の落下を真下で目撃していたという・・・内海薫初登場。実際に実験してみることにこだわる姿勢がいかにも湯川らしく感じました。そう、この結末に割り切れるあたりも。
「操縦る(あやつる)」
 湯川の恩師友永の家にかつての教え子が集まった。その夜、離れで火災が起き、折り合いの悪かった友永の長男が死亡したのだが・・・想像もつかないようなトリックに驚きました。また少し、湯川の人間らしさが出た気がします。
「密室る(とじる)」
 友人藤村が経営するペンションで起きた密室事件。調査を依頼された湯川だが、藤村の言葉の歯切れが悪い・・・文字通りの密室もの。ただ、アレを使うというのは正直あまり美しいとは思えませんでした。
「指標す(しめる)」
 資産家の老女が殺害され、仏壇に隠された地金が盗まれた。隠し場所を知っていた保険外交員が疑われる・・・いつかは出るかな、とは予想していたのですが、ついに出ました、ダウジング。事件の真相よりもこのダウジングの真相のほうが興味深かったです。
「錯乱す(みだす)」
 事故に見せかけて殺人を犯すことができるという「悪魔の手」からの犯行声明。挑戦状は湯川にも届いた・・・こういった悪意を持って物理を使うというのが、湯川にとってもっとも許せない行為なのでしょうね。

 全体に犯人捜しよりも犯行の方法に視点が向けられるものが多く、それが犯行の動機ときれいに絡められています。もっとも、最初から犯行の方法を見抜けるとは思っていないのですが。
 また、内海薫が加入したことで、物語に随分巾ができた気がします。前二冊の短編集『探偵ガリレオ』『予知夢』よりも楽しませてもらいました。
 しかし、頭の中で想像する湯川が福山雅治なのはもうどうしようもないのかな。映画もドラマも見ていないのだけど。

収録作:「落下る」「操縦る」「密室る」「指標す」「錯乱す」
関連作:『探偵ガリレオ』『予知夢』『容疑者Xの献身
2009年1月10日読了
2009.01.20 Tuesday 22:03 | は行(東野圭吾) | comments(0) | trackbacks(1)

東野圭吾『容疑者Xの献身』

評価:
東野 圭吾
文藝春秋
¥ 660
(2008-08-05)
Amazonおすすめ度:
石神哲哉に幸あれ
本格ミステリーとしては傑作だが……
●さあ、映画を観よう!!
 数学を生きがいにしてきた高校教師の石神は、隣の部屋に住む花岡靖子の顔を見るために、毎日彼女の働く弁当屋に通う日々。だが、靖子が元夫を衝動的に殺してしまったことに気付いた石神は彼女を救うため、事件の隠蔽を図った。論理的に・・・

 直木賞、本格ミステリ大賞を受賞し、年末のランキングを総なめにした大ベストセラー。今更ではありますが読みました。
 なんとも切ない純愛ミステリです。
 「探偵ガリレオ」シリーズ初の長編。いわゆる倒叙推理という形式、すなわち最初に犯人や犯行を読者に知らせた上で、捜査側と犯人とのやりとりを展開する方法を採っています。この採用が、作品の高い評価を決定づけたといえるのではないでしょうか。なぜならばこの形式は、捜査側ではなく犯人側に焦点をあてられるからです。犯人の動機、そして人間性をより深いものにするためには最適な方法が採られたように思います。
 また、隠蔽工作の表現の仕方や伏線の張り方が巧妙で、最後にキッチリと伏線を回収し、読者が思っても見なかった世界を導くあたり、流石としか言いようがありません。もっとも、それが例の論争を引き起こすことにつながったようですが。

 不満があるとすれば、本当にそこまでする人間がいるのかと疑問に思ったこと、そのトリックがあまりに人間の尊厳を傷つけるものであること、そして湯川が物理学的な面であまり活躍しているように見えない点でしょうか。
 特に最後の点は、今までのシリーズ作品では湯川が物理学の知識、経験、実験、そして天才的な発想で事件の真相を暴くタイプが多かったように記憶しているので、彼が探偵役でなくてもいいように思えてしまい残念でした。
 とはいえ、傑作であることに変わりはありません。未読の方にはぜひ読んでほしいですね。

関連作:『探偵ガリレオ』『予知夢
2008年12月25日読了
2009.01.12 Monday 09:35 | は行(東野圭吾) | comments(0) | trackbacks(0)

東野圭吾『予知夢』

評価:
東野 圭吾
文藝春秋
¥ 530
(2003-08)
Amazonおすすめ度:
ガリレオシリーズ:第二弾
オカルトとミステリーをつなぐもの
短編で読みやすい
 帝都大学の湯川助教授には二つの顔がある。一つは肩書きどおり学生を相手に指導する物理学助教授としての顔。もう一つは、友人である警視庁の草薙刑事に求められ、不可解な事件の謎を科学的に解明する「ガリレオ先生」としての顔・・・

 大人気『探偵ガリレオ』シリーズの第二短編集。今回も湯川助教授が奇妙な事件に挑みます。ただ、前作よりも幾分科学的な色合いは薄くなったでしょうか。
「夢想る(ゆめみる)」
 少女の部屋に侵入したストーカーは、少女が生まれる前から結ばれることを予知していた・・・そんなことが本当にありえるのだろうかと。冒頭にこの作品が来たことが、『探偵ガリレオ』とは少し違う路線にあることのあらわれかも。
「霊視る(みえる)」
 恋人が殺された夜、男は留守番の友人の家で見たのは恋人の亡霊?・・・比較的オーソドックスな本格ミステリ。正直なところ、このシリーズでなくてもいいように思えます。
「騒霊る(さわぐ)」
 夫の失踪への関与が疑わしい木造家屋は、ある時刻になると動き出す・・・ラストが救いになっているといえるのかどうか疑問ですが、何もないよりはいいのかも。
「絞殺る(しめる)」
 町工場の社長がホテルで絞殺された。アリバイが怪しいこと、多額の保険がかけられたことから妻が疑われるが・・・アリバイの使い方が一風変わっていて興味深い作品。
「予知る(しる)」
 浮気相手が男の自宅の目の前の部屋で首を吊った。だが、少女は三日前にも同じ光景を目撃していた・・・前作のイメージを一番残している作品かも。科学を否定するようなラストが印象的。

 前作よりも科学的な側面が少し減ったような印象があります。その影響があってか、幾分読みやすくなった気がします。もっとも、逆にインパクトは弱くなりましたね。
 また、「絞殺る」を読むとなんとなく湯川の人間的な一面が見えてきます。前作ではあまり気にしなかったのですが、今にして思えばそういう面は見られなかったかもしれません。「科学マシン」みたいで。

収録作:「夢想る(ゆめみる)」「霊視る(みえる)」「騒霊る(さわぐ)」「絞殺る(しめる)」「予知る(しる)」
関連作:『探偵ガリレオ
2008年11月21日読了
2008.11.24 Monday 23:27 | は行(東野圭吾) | comments(0) | trackbacks(0)

東野圭吾『探偵ガリレオ』

評価:
東野 圭吾
文藝春秋
¥ 570
(2002-02-10)
Amazonおすすめ度:
普通の短編
盲点をつく事件解決の糸口発見はやみつきになる
ガリレオシリーズ:第一弾
 若者の後頭部から火が出た! 中学生が拾った精巧なデスマスクの正体は! 男の死体は心臓付近の細胞が完全に壊死していた! 普通では考えられないような奇妙な事件が起きると、捜査一課の草薙は帝都大学へ足を運ぶ。友人である物理学助教授・湯川の力を借りるために・・・

 テレビドラマ『ガリレオ』の原作となった『探偵ガリレオ』シリーズ第一短編集。
「燃える(もえる)」
 人通りの少ない通り。たむろしていた若者の後頭部から火が上がった・・・人体発火だのプラズマだのというものを扱っているのに、最後には物悲しい余韻を残す物語に仕上がっているあたりに巧さを感じます。
「転写る(うつる)」
 中学校の文化祭に出されたアルミ製のデスマスク。それはある男の顔にそっくりだった・・・デスマスクができる過程には「うーん」と唸るほかありませんでした。
「壊死る(くさる)」
 浴室で心臓麻痺で亡くなった男。その胸にある痣は細胞が完全に壊死していた・・・これは怖い、かもしれない。もっとも、殺害方法から簡単に足が付くでしょうけど。最後のオチが見事でした。
「爆ぜる(はぜる)」
 湘南海岸で突然火柱が上がり、遊泳中の女性が爆死した。だが、その原因がつかめない・・・なんとも派手な事件ですね。あれは確かに危険って教わりましたよ。こんなことで狙われるなんて、オチオチ仕事もできません。
「離脱る(ぬける)」
 高熱で寝込んでいた少年がそこからは見えないはずの風景を絵にした。幽体離脱? その絵が男のアリバイに・・・なんとも不思議な幽体離脱の謎に挑む湯川。子どもの純粋さと大人の欲が対比され、ちょっと後味が悪く感じられました。

 まさに本格物理ミステリ。これでもかとばかりに物理トリックをつぎ込んできます。単純に理系の学者が登場するミステリや、いわゆる物理トリックを使っているミステリではなく、物理学者が物理の知識を利用して謎を解く本格物理ミステリなのです。
 一種のワンアイデアものなのでしょうが、如何せんそのワンアイデアのおもしろさとミステリ作品としてのおもしろさが直結していないような気がしてなりません。理系の人が読むと違うのかな。僕は文系なので・・・
 これが、『容疑者Xの献身』へとどうつながっていくのか、見ものではあります。

収録作:「燃える(もえる)」「転写る(うつる)」「壊死る(くさる)」「爆ぜる(はぜる)」「離脱る(ぬける)」
2008年11月18日読了
2008.11.21 Friday 21:22 | は行(東野圭吾) | comments(0) | trackbacks(0)