こんな夜だから書庫に行こう

はてなから感想の保管作業終了!!
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2009.09.29 Tuesday | - | - | -

小路幸也『21 twenty one』

評価:
小路 幸也
幻冬舎
¥ 1,575
(2008-06)
Amazonおすすめ度:
それでも生きるのだ
良かれと思って言った言葉が、人を深く傷つけてしまうとき
新成人に送りたい一冊
 21世紀に21歳になる21人の仲間。この特別な絆を胸に、僕たちはこの歳まで生きてきた。だが、25歳になって仲間が集まったのは通夜の会場。仲間のひとり、半沢晶が死んだのだ。思い出が詰まったあの教室で、ひとり首を吊って。どうして晶は自殺したのだろうか・・・

 半沢晶というひとりの人間の死を取り巻く仲間たちの群像劇。あの時の自分の一言が、あの行動が晶を死に追いやったのではないかと、それぞれに心あたりのエピソードを口にしていきます。さすがに全員が取り上げられるわけではなく、主だった数人だけですが。
 この物語はあくまで特別な絆で結ばれた仲間たちの互いを思う気持ち、卒業から十年の間の変化といったものが中心。晶に焦点があてられるためか、若干登場人物の書き分けに不満を感じる部分もあったり、あるいは強すぎる絆に鼻白むこともあるものの、最終的に「仲間っていいな」と思わせられるあたり、概ね成功しているのでしょう。

 また、最後に明らかにされた自殺の理由、真相に驚かされたことは間違いなく、それは確かにこの設定だからこそ考えられるものです。ただし、だからといってこの理由に納得させられたわけではなく、後味はよくありませんでした。残念。
 登場人物たちが語るエピソードには放置されたものもいくつかあり、それはそれでどうなったのか気になるところ。せっかくだから、ここから何らかの形で広げてもらえたら嬉しいかな。
2008年11月29日読了
2008.12.06 Saturday 21:38 | さ行(小路幸也) | comments(0) | trackbacks(0)

小路幸也『モーニング Mourning』

評価:
小路 幸也
実業之日本社
¥ 1,680
(2008-03-19)
Amazonおすすめ度:
語り合える仲間のいる幸せ
しみじみとした想い出話
本当の親友とは
 事故死した大学時代の仲間真吾の葬儀のあと、レンタカーに乗り込もうとする淳平は突然言った。自殺する、と。思いとどまらせるためにダイ、ヒトシ、ワリョウの三人は予定を変更し、福岡から東京への道のりで自殺の理由を思い出そうとする。淳平を喪わないための交換条件として・・・

 大学時代の仲間たちが、20年以上経ってその頃を回想しながら福岡から東へと走り続けるロングドライブです。その頃に起因するという淳平が自殺すると言い出した理由を探して。
 物語はもっぱら大学時代の思い出話で進み、ドライブであるとか淳平の理由というのはほとんど二の次。まるで小路さんはこういった学生たちを書きたかったのではないかと思うほど、その思い出は輝きに満ちています。楽しいこと、嬉しいことばかりでなくつらいこと、悲しいことも。
 こういった青春時代の回想で構成された作品を読むと、いつも同じ頃の自分を思い出してしまいます。今回もそう。これほどに輝き、充実した学生生活ではありませんでしたが。
 もちろん、物語は回想だけではありません。最後にはこのドライブの発端、すなわち淳平が自殺すると言い出した理由も明らかになります。これには唖然。思わず数ページ読み返してしまいました。でも、確かにそういうものかもしれません。この理由には妙に納得もさせられました。

 小路さんの作品からは、いつもノスタルジックで少し切ない印象を受けます。それがなんとなく心地よさを与えてくれます。次に読む作品にも、そういったものを期待したいです。
2008年11月2日読了
2008.11.05 Wednesday 22:21 | さ行(小路幸也) | comments(0) | trackbacks(0)

小路幸也『高く遠く空へ歌ううた』

評価:
小路 幸也
講談社
¥ 560
(2008-02-15)
Amazonおすすめ度:
いまひとつかな?
 死体を見つける特性を持つ少年・ギーガン。義眼だからギーガン。彼は左目に義眼を入れて以来、泣いたり笑ったり、感情を表に出すことがなくなってしまった。久しぶりに見つけてしまった10人目の死者は根本さん。それは、9人目として彼の父親が自殺して以来、2年ぶりののことだった・・・

 ひたすらにあたたかく、やさしい物語。不思議なことに、現実的なことが書かれている部分でも、どこかファンタジックに感じてしまいます。
 柊さんやケイト、誠くん、あるいはルーピーといった同年輩の仲間たちとギーガンとの交流が見どころのひとつ。特にある出来事をきっかけにギーガンを守ろうとし、より強固になったルーピーとの友情は感動的。ひとつ間違えれば二人がバラバラになりかねなかった出来事を、丸く収めたギーガンの父親もまたすばらしいです。
 その一方で、子どもたちだけでなく鎌倉のばあちゃんや田村先生といったギーガンの周りの大人も、いい味を出しています。

 一見すると10人の死体の謎、そしてそれをギーガンが見つけてしまうことに重きが置かれそうですが、小路さんの目的はそこにはないのでは。これらの謎はギーガンたちの友情と成長を描くための演出のひとつに過ぎないのではないでしょうか。
 作品全体を包むノスタルジックな雰囲気で、現代人が忘れかけたようなものを教えてくれる気がします。

関連作:『空を見上げる古い歌を口ずさむ
2008年5月28日読了
2008.06.02 Monday 11:55 | さ行(小路幸也) | comments(0) | trackbacks(0)

小路幸也『HEARTBLUE』

 NY警察の失踪人課に勤務するワットマンのもとへ少女ペギーの失踪を伝えたのは、以前地下で知り合ったサミュエルだった。ペギーはビルから身投げしていたが、ワットマンは過去の事件との類似に気がつき、調べだす。一方巡矢は、かんなの写真に写った「いるはずのない少女」に興味を持ち・・・

 『HEARTBEAT』の続編にあたる作品。東京創元社ミステリ・フロンティア。
 とにかくやりきれない。明らかになる真実はあまりに辛く、苦いものなのです。それは命を失った者にも、未来へ進む者にも。
 しかしながら、登場人物たちが常に前向きで、人のことを思い、力強く生きていこうとする物語なので、読後感は決して悪いものではなく、むしろ優しく温かい気持ちになれるといってもいいでしょう。まさに小路さんの世界。

 ただし、かんなが真相に近い部分を知りえた方法(現象)を、巡矢が素直に受け入れてしまうことには疑問。もちろん、以前の体験が影響していることはわかりますが、あまりに引っ掛かりがないように感じます。
 それに、作中のこととはいえチャイルドポルノへの言及に嫌悪感を持つ人は少なからずいることでしょう。
 当初からシリーズ化を予定していたようですが、前作を読んだときにはそんな風には感じなかったなあ。また彼らに会えるときが楽しみです。

関連作:『HEARTBEAT
2008年1月8日読了
2008.01.09 Wednesday 17:15 | さ行(小路幸也) | comments(0) | trackbacks(0)

小路幸也『空を見上げる古い歌を口ずさむ』

空を見上げる古い歌を口ずさむ
空を見上げる古い歌を口ずさむ小路 幸也

講談社 2007-05-15
売り上げランキング : 118323


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 ある日、凌一の息子の彰に変化がおきた。周りの人の顔がみんな〈のっぺらぼう〉に見えるというのだ。「いつかお前の周りで、誰かが〈のっぺらぼう〉を見るようになったら呼んでほしい」その言葉を思い出し、凌一は20年会っていない兄恭一に連絡を取った・・・

 第29回メフィスト賞受賞作。作中の大半は恭一によるパルプ町で過ごした幼少時の回想で占められ、ストレートに彰の身に起きた出来事の謎解きを期待した人は、肩透かしを食らうかもしれません。
 しかしながら、この回想こそが彰の身の上に起きた出来事の真相であり、そういった意味では真相のみに特化したミステリと言えなくもないでしょう。もっとも、その真相がこれでいいのかという疑問もあるのですが。もう少し現実的な真相を期待していたのです。そして、この真相から波及した結果の1つとして父親の死も含まれてしまったことが残念。父親のこと、家族のことをもう少し深く書いてほしかったです。
 また、回想では当時パルプ町で起きた数々の不可解な事件が語られるます。「事件に一枚噛んでいるような人物がいるのに、〈のっぺらぼう〉に見えるため特定できない」というのは非常にもどかしく、そしてミステリとしておもしろい設定でした。
 ただし、小路さんの作風から考えるとそういうことよりも、むしろパルプ町を舞台としたノスタルジックな物語ということが基本線で、ミステリだとかホラーだとかジャンルとしてどこに位置しているかということはあまり意味を成さない気もします。逆に「かつて子どもであった大人向け」というのはぴったりかと。
2007年5月23日読了
2007.05.24 Thursday 19:06 | さ行(小路幸也) | comments(0) | trackbacks(0)