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2009.09.29 Tuesday | - | - | -

加納朋子『ぐるぐる猿と歌う鳥』

評価:
加納 朋子
講談社
---
(2007-07-26)
 父親の転勤で東京から北九州の社宅にやってきた小学5年生の森(シン)。そこで出会ったのはココちゃん、あや、竹本五兄弟、そしてパックという個性豊かな子どもたち。彼らは東京では問題児として扱われてきた転校生のシンをあっさりと受け入れたのだった。

 ミステリーランド第13回配本作品。
 どちらかと言えば「かつて子どもだったあなた」よりも「少年少女」に向けて書かれた作品でなのしょうか。子どもの世界の論理を前面に押し立て、それでいて強烈なサプライズもしっかりと効いています。
 また、社宅という仲間意識、身内意識があると思われる空間を舞台に使ったことで、子どもたちのネットワークだとか、あるいはパックのような子どもの存在を表現するのにより効果をあげていると感じました。
 子どもたちの身近にある日常の謎を解くだけでなく、ちょっとした冒険めいたことをさせたり、爽やかで楽しい小説です。無論それだけではなく、大人のいやな面もちゃんと見せてくれるのですが。

 ただし、大小のいくつかの謎を用いたことから核となる謎(=サプライズ)に対する注意を集めることがあまりなく、結果として盛り上がりをを欠いていたように思われました。そして、子どもたちや社宅の雰囲気にはどこかノスタルジックなものを感じていたのですが、所々に非常に現代的な記述を見つけ、若干ちぐはぐな印象を受けました。もっとも、これは「かつて子どもだった」者から見た印象ですので、「少年少女」にとってはノスタルジーなんてなく、現代そのものなのかもしれません。
 どちらにせよ、「かつて子どもだったあなた」でも今の「少年少女」でも楽しめる作品でしょう。この子どもたちが活躍する続編も期待したいです。
2007年9月3日読了
2007.09.03 Monday 23:11 | か行(加納朋子) | comments(0) | trackbacks(0)

加納朋子『モノレールねこ』

モノレールねこ
モノレールねこ加納 朋子

文藝春秋 2006-11
売り上げランキング : 2854

おすすめ平均 star
star心温まる!何度でも読み返したい!
star主人公がザリガニ!?
starすばらしい本です。

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 モノレールねこ、それはタカキがあのねこにつけた名前。デブで不細工なあのねこに。僕とタカキはモノレールねこの赤い首輪を介して文通を始めたんだ。ただの一度も会ったことがないのに。(「モノレールねこ」)

 『沙羅は和子の名を呼ぶ』以来7年ぶりのノンシリーズ短編集。
 これはいいですね。家族を中心に人と人との心の交流を描いています。ミステリではないけれど、加納さんらしさが存分に発揮されている感じ。
●「モノレールねこ」
 表題作。ある程度予想がつく結末。ただし苦い思い出の後味は悪くない。この辺が巧みなのでしょうか。
●「パズルの中の犬」
 真っ白なパズルの中に見えた犬。思い出したのは・・・ 母親の実像や本音がなかなかおもしろかった。
●「マイ・フーリッシュ・アンクル」
 ダメな伯父とともに残されてしまった私はどうする。共に暮らす家族であっても、どんなに知っているつもりでも、やっぱり知らない部分もあるのです。
●「シンデレラのお城」
 親のために偽装結婚した相手は見えない人と共同生活していた。やさしく、切なく、そして残酷な一編。
●「セイムタイム・ネクストイヤー」
 やっと授かった娘は失った母親は、娘の誕生日に思い出のホテルへ。切なさとあたたかさと、そしてやっぱり切なさが同居した作品。ありきたりかもしれないけれど、これが一番よかったです。
●「ちょうちょう」
 順風満帆なはずだったラーメン屋店長の俺。だが、思ったようには続かなかった。不器用で素っ気ないやさしさが身にしみる作品。
●「ポトスの樹」
 あの日、親父は溺れかけた俺を助けようともしなかった・・・そんなろくでなしの親父でもいいところもあるのです、加納さんの手にかかると。
●「バルタン最期の日」
 バルタンと名付けられたザリガニは、水槽から一家を見つめる。ザリガニのハードボイルドという奇抜な設定と、現代日本の歪みのような部分がうまくマッチされています。
 読み終えてから振り返ると、物語としてはありきたりかもしれない、この手の大まかなパターンはもはや分類できるほどに体系化されているのかもしれない、そんなことも考えてしまいます。しかし、それを読んでいるときに感じさせないのが加納さんの素晴らしさでしょうか。

収録作:「モノレールねこ」「パズルの中の犬」「マイ・フーリッシュ・アンクル」「シンデレラのお城」「セイムタイム・ネクストイヤー」「ちょうちょう」「ポトスの樹」「バルタン最期の日」
2007年1月25日読了
2007.01.29 Monday 19:16 | か行(加納朋子) | comments(0) | trackbacks(0)

加納朋子『てるてるあした』

てるてるあした
てるてるあした加納 朋子

幻冬舎 2005-05
売り上げランキング : 47224

おすすめ平均 star
starあしたははれる
star不思議な町
star面白かったです!

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 金銭にルーズだった親の夜逃げによって進学が決まっていた高校をあきらめて佐々良にやってきた照代。母方の遠い親戚だという久代の家においてもらうことになるが、久代は「魔女」に例えられるほど厳しかった。そして、照代のもとには送り主がわからないメールが届き、さらには女の子の幽霊も現れる。すべては不思議な町・佐々良での出来事。

 『ささらさや』の続編というか姉妹編。サヤやユウ坊など、おなじみとなったメンバーたちの間に照代が新たに加わります。
 おそらくは15年間の家庭環境と学力そして外見がもたらしたであろう鼻持ちならない屈折した性格の照代。この性格というのが非常に利いていて、『ささらさや』の場合、頼りないサヤが生活能力を身につけていく成長を遂げたのに対し、今作ではこの前に照代の性格を改めるという過程が加わります。それを考えると、3人のおばあさんの中では久代と同居というのがベストだったのでしょう。
 ただ、これだけだったらそこまで高い評価にはしません。ありがちな話です。問題は最後の「実りと終わりの季節」。思っても見なかったことが起こります。もう涙、涙といった感じ。幽霊少女の正体など、謎も解けます(ミステリ的ではありませんが)。

 親子の関係について考えさせられ、意外に努力家だった照代に声援を送りたくなり、そして結末に泣いてしまう、そんな1冊です。

関連作:『ささらさや』
2005年7月5日読了
2005.07.11 Monday 00:00 | か行(加納朋子) | comments(0) | trackbacks(0)

加納朋子『虹の家のアリス』

虹の家のアリス
虹の家のアリス加納 朋子

文藝春秋 2005-12
売り上げランキング : 60153

おすすめ平均 star
starやさしい おはなし

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 『螺旋階段のアリス』の続編で、本格ミステリ・マスターズの1冊として刊行された連作短編集。前作のテーマが「夫婦」であったのに対し、「家族」がテーマ。仁木順平、市村安梨沙はもちろん、少なからず登場人物は前作から引き続いているので、まず前作を読んだあとに読まれることをお勧めします。

 以下、各編について。
●「虹の家のアリス」
 育児サークルへの度々の嫌がらせ。会場の部屋の鍵が付け替えられたり、勝手にキャンセルされていたり・・・意外な犯人、意外な動機が微笑ましいです。
●「牢の家のアリス」
 産婦人科でおきた新生児誘拐。しかも密室から。あまり悪意が感じられないだけに始末が悪い気がします。
●「猫の家のアリス」
 ネットの猫好き掲示板に猫殺しの被害の書き込みが続く。しかも猫の名前のイニシャルはA、B、C、と続く。「次は自分の猫?」と心配になったDの猫を飼う女性が仁木に相談してくるが・・・ある意味では「牢の〜」よりも悪意を感じるけれども、作風がそれを打ち消している気がします。
●「幻の家のアリス」
 安梨沙の実家のお手伝いさんが、最近自分に対して安梨沙が冷たい理由を調べてほしいと依頼してくる・・・ターニングポイント。この前と後でがらりと変わります。
●「鏡の家のアリス」
 結婚を決めた息子から、出張中に婚約者をストーカーから守ってほしいと頼まれるが・・・反転した世界がもう一度反転して元に戻ったような気がしました。
●「夢の家のアリス」
 一度に重なる多くの依頼、その一つが花盗人を捜すものだった。そして安梨沙は・・・ミステリとしては花盗人の話ですが、むしろ主題はそれ以外のところにあります。まさに思ってもいない結末。

 どんな悪意もこの人の手にかかればオブラートに包まれたようになったしまう、そんな印象です。もちろん良い意味で。やはり表題作がもっとも「らしい話」といった感じがしました。その一方、後半はミステリとしてよりもシリーズを通しての展開を重視した雰囲気。次作に読者の期待をつないでいます。

収録作:「虹の家のアリス」「牢の家のアリス」「猫の家のアリス」「幻の家のアリス」「鏡の家のアリス」「夢の家のアリス」
関連作:『螺旋階段のアリス』
2005年1月5日読了
2005.01.10 Monday 00:00 | か行(加納朋子) | comments(0) | trackbacks(0)

加納朋子『螺旋階段のアリス』

螺旋階段のアリス 文春文庫
螺旋階段のアリス 文春文庫加納 朋子

文藝春秋 2003-11-08
売り上げランキング : 83550

おすすめ平均 star
star日常におけるミステリー
star加納版現代アリス
starずっと夢の中にいたような

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 大企業のサラリーマンから私立探偵へ転身した仁木順平と、そこへ突如現れパートで助手になった安梨沙。2人への依頼は仁木が憧れるようなものではなく、平凡なものばかり。だが・・・

 いわゆる「日常の謎」系ミステリの連作短編集。やっぱり加納さんには「連続殺人」とか「死体消失」なんていうのよりも、こういうものの方があっている気がします。なかでも「最上階のアリス」がよかったです。他人から見れば「悪意」、しかしその真相は「夫婦愛と善意」、そんなどんでん返しがせつなかったです。『不思議の国のアリス』のキャラクターをモチーフ?にしているそうなので、読んだことがある方はより一層楽しめるのではないでしょうか。(読んでいないので良くわかりません)

収録作:「螺旋階段のアリス」「裏窓のアリス」「中庭のアリス」「地下室のアリス」「最上階のアリス」「子供部屋のアリス」「アリスのいない部屋」
関連作:『虹の家のアリス
2004年2月6日読了
2004.08.19 Thursday 00:00 | か行(加納朋子) | comments(0) | trackbacks(1)