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2009.09.29 Tuesday | - | - | -

乾くるみ『カラット探偵事務所の事件簿1』

評価:
乾 くるみ
PHP研究所
¥ 1,575
(2008-09-13)
 新聞記者をしていたものの体調を崩した俺は、高校時代の同級生の古谷に誘われ古谷が立ち上げる探偵事務所で唯一の調査員として働くことになった。広告も出さない、謎解き専門という古谷の方針では引き受ける依頼などやってくるはずもなかったが・・・

 乾さんの新シリーズ短編集。タイトルに『1』とついているだけに続けてほしいものですが・・・
「卵消失事件」
 夫が買ってきた烏骨鶏の卵。だが、卵パックの中に卵はなく、開けた形跡もない・・・howよりもwhyに重きが置かれた作品。そこに至る理由と経緯があまりにバカバカしい。
「三本の矢」
 武家屋敷とも呼ばれる名家。その壁に弓道の矢が打ち込まれた。どうやら敷地内からのようだが・・・タイトルどおり。三本の矢といえば有名な故事がありますが、それとの比較も楽しいかも。
「兎の暗号」
 祖父が父、叔父、叔母にそれぞれ残した三首の歌。それは暗号になっているようで・・・ストレートな暗号もの。ただし、暗号そのものはなかなかストレートにはいかず、ヒネリが効いています。
「別荘写真事件」
 失踪した父の安否を知らせる匿名の手紙と写真。それはどこで撮られたものなのか・・・結末への伏線がうまく散りばめられたおもしろい作品。写真を想像するとユーモラスですね。
「怪文書事件」
 団地の住人に送られた怪文書。ありがちな不倫の告発だったが、怪文書は3回続いて・・・理に適った発想と、真相とのギャップが大きく可笑しい。井上が声高に主張する気持ちが、あとになるとわかる気がします。
「三つの時計」
 仲間だった早苗の父は、新郎の手土産だったケーキの製造時刻では約束に間に合わないはずだったと言う・・・「怪文書事件」からつながる日常の謎。一種類ではなく二種類の使用し、推理により厚みを持たせているあたりがうまいですね。ただし、それも最後の仕掛けに食われて、印象に残りにくいのが残念。

 全体にオーソドックスな感覚の短編集。暗号や時刻などパズルのような要素が多く盛り込まれながらも、読みやすい作品がそろっています。月刊文庫に掲載されていただけあって最後にはカラッと解決し、後味もよい作品ばかりです。
 ですが、最後の仕掛けは乾さんの作品としてははっきり言って期待はずれ。「乾くるみ」ブランドでこの仕掛けでは驚けません。このネタだったら、せめてもうひとつふたつヒネリがほしいところでは?
 『1』とあるからには『2』以降も期待したくなるのですが、はたして2冊目の事件簿は世に出されるのでしょうか。読むとなれば、本作とは違ったイメージで読み始めることになるのでしょう。

収録作:「卵消失事件」「三本の矢」「兎の暗号」「別荘写真事件」「怪文書事件」「三つの時計」
2008年11月26日読了
2008.11.29 Saturday 16:50 | あ行(乾くるみ) | comments(0) | trackbacks(0)

乾くるみ『クラリネット症候群』

評価:
乾 くるみ
徳間書店
¥ 620
(2008-04-04)
Amazonおすすめ度:
良質の "現代落語"
 高校生の翔太は、持ち出した義父の大切なクラリネットを、不良たちの手で壊されてしまった。そのショックからか、翔太は「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」の音が聞こえなくなってしまう。しかも、どうやら関さんは事件に巻き込まれて拉致されたようで・・・「クラリネット症候群」

 2001年に徳間デュアル文庫から刊行されていた「マリオネット症候群」と新作「クラリネット症候群」を合わせた1冊。
 「マリオネット症候群」以前読んでいるのですが、再読してみるとこれがまたおもしろい。身体乗り移りというか乗っ取りというか、よくありそうな人格転移ネタなのですが、その原因によって連鎖的に起こる乗り移りがなんともおもしろいのです。
 また、乗り移った側と乗り移られた側が意思を疎通できないことによって、乗り移られた側を一傍観者にし、混乱した展開を導くだけでなく、最後の落としどころにサプライズを招く一因としています。お見事。

 一方、新作の「クラリネット症候群」は拉致された関さんを救い出すために残された暗号の解読を試みる暗号もの。ただし、あくまでも暗号は添え物に過ぎず、その裏事情がポイントでしょう。「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」が聞こえないという状況により生じる会話に乾さんらしいセンスを感じます。ネタと伏線で満ち溢れ、無駄な部分がないのも魅力的。
 文庫化された『イニシエーション・ラブ』も好評との噂を聞く乾さん。「苦しい」なんて言わずにもう少し刊行のペースを上げて欲しいところです。

関連作:『マリオネット症候群
2008年4月16日読了
2008.04.17 Thursday 22:21 | あ行(乾くるみ) | comments(0) | trackbacks(0)

乾くるみ『塔の断章』

 ネタバレするつもりはありませんが、念のため未読の方はご注意ください。

塔の断章
塔の断章乾 くるみ

講談社 2003-02
売り上げランキング : 395904

おすすめ平均 star
star発想はすごいけれど
star読後に、どっと疲れが・・・・。
starジグソー・ミステリー

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続きを読む >>
2006.05.02 Tuesday 00:00 | あ行(乾くるみ) | comments(0) | trackbacks(0)

乾くるみ『Jの神話』

Jの神話
Jの神話乾 くるみ

講談社 2002-06
売り上げランキング : 257587

おすすめ平均 star
starミステリーという名の仮面
starエログロ描写で読み手を選ぶ(;'Д`)ハァハァ
starはぁ?

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 坂本優子が入学した全寮制の女子校・純和福音女学院で、生徒会長として君臨していた朝倉麻里亜が突然亡くなった。しかも原因は子宮からの大量出血であり、残されているはずの胎児は発見されなかった。優子は麻里亜を喪った学院の変容に疑問を感じ、そして朝倉家から依頼された女探偵・黒猫も調査を始めた・・・「ジャック」とはなにか!

 第4回メフィスト賞受賞作。
 読み手を選ぶ作品です。正直なところ、いろいろと噂には聞いていたのであまり驚きはしなかったのですが、それでもとんでもない作品には違いありません。
 ところでこのころのメフィスト賞ってある意味すごいですよね。『すべてがFになる』『コズミック 世紀末探偵神話』『六枚のとんかつ』『Jの神話』ですから。

 さて、全寮制女子校での事件を探る、というだけならあまり珍しくもないような物語です。むしろ昨今流行りの『マリみて』のミステリ版? というとらえ方もできるかもしれません。でも一筋縄ではいかないのが乾くるみ。デビュー作からヘンなところへ着地してくれます。

 展開や結末に賛否両論あるのはともかく、黒猫を始めとして人物の造形がイマイチちぐはぐな感じがしました。取り巻きたちは「取り巻きたち」としてしか扱われていないため、大勢いるはずなのに何か生きていないようだし。
 まあ、こういう作品なので他の人にはオススメしません。初めて読んだ乾作品がこの『Jの神話』だったら、「もう乾作品は読まない」と思ったかも。『J』が初めてじゃなくて良かった・・・
2006年4月26日読了
2006.04.27 Thursday 00:00 | あ行(乾くるみ) | comments(0) | trackbacks(0)

乾くるみ『マリオネット症候群』

マリオネット症候群
マリオネット症候群乾 くるみ

徳間書店 2001-10
売り上げランキング : 630565

おすすめ平均 star
star乾くるみさんらしい、ブラックユーモア。
starいつもよりは軽め
starありがちじゃないよ

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 わたしは高校一年生の御子柴里美。夜中に目が覚めると、自分の身体が思うように動かせなくなっていた。どうやら何者かに身体を乗っ取られてしまったらしい。徐々に事態を把握できるようになってわかったこと、それはわたしの身体を乗っ取っているのは片想いしていた森川先輩で、しかも森川先輩は毒殺されたみたい。どうして・・・

 あの乾くるみさんが徳間デュアル文庫から出した作品。しかし、いくらライトノベルレーベルからの作品であっても、さすが乾さんだけあって、普通ではない作品に仕上がっています。
 おそらくはSFでは多数見られそうな設定なのですが、前半はある意味平凡というかありきたりではないかという展開で、森川先輩殺しの犯人究明まで進行します。しかもあっさりと。
 ところが、この先はたどり着いた真相をいかにして完全犯罪へと変化させるかという、今までと全く異なった方向へ。展開は二転三転し、最後まで読者の予想を裏切り続けてくれます。この辺が乾さんの作品の醍醐味でしょうね。比較的単純な設定なのに、それを最大限に活用して楽しませてくれます。

 長さとしては中編程度。文章も読みやすかったので、おもしろく、そして短時間で読んでしまいました。「ほかのアクの強い作品には手が出しにくい」という乾作品初心者の方には向いているのではないでしょうか。

2006年1月3日読了
2006.01.05 Thursday 00:00 | あ行(乾くるみ) | comments(0) | trackbacks(0)