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2009.09.29 Tuesday | - | - | -

若竹七海『プラスマイナスゼロ』

評価:
若竹 七海
ジャイブ
¥ 1,260
(2008-12-03)
Amazonおすすめ度:
待ってました。
 舞台は葉崎。不運につきまとわれたお嬢様・テンコ、極悪不良少女・ユーリ、そしてすべてにおいて全国平均というミサキは、山の上にそびえる葉崎山高校に通う凸凹トリオ。三人の前に落ちてきた蛇は、彼女たちを死体へといざなった・・・

 7:3か8:2でユーモアが打ち勝ったかのようなミステリ。いつもの葉崎市シリーズです。
「そして、彼女は言った〜葉崎山高校の初夏〜」
 ドジなお嬢様テンコが見つけたのは素っ裸の女の死体だった・・・『告白。』で既読(「話を聞いて」改題)。やはりこのブラックテイストはたまりません。
「青ひげのクリームソーダ〜葉崎山高校の夏休み〜」
 閑散とした海の家跡地。三人はクリームソーダを食べながらオーナーの噂をしていたが・・・この結末、続きをもう少しだけ読みたかった。読みすぎない程度に。
「悪い予感はよくあたる〜葉崎山高校の秋〜」
 収穫祭の日。パチンコを使った悪戯で謹慎処分中の尾賀が出没しているらしい・・・見事にやられました。思わず読み返したくなります。ポイントはいくつもあったのに。
「クリスマスの幽霊〜葉崎山高校の冬〜」
 アルバイトで病院に行った三人。ユーリの姉は上品そうな老婦人と同じ部屋で・・・ちょっとしたアルバイトが意外な方向へ飛んでいく様がおもしろい。こういう事例、実際にありそうな気がします。
「たぶん、天使は負けない〜葉崎山高校の春〜」
 ユーリの思いつきで、卒業生を送る会であるパフォーマーの技を披露することに・・・これ、見たくないですよね。卒業生を送る会でなんて。その辺がユーモアなんですが。
「なれそめは道の上〜葉崎山高校、1年前の春〜」
 プラスとマイナスとゼロ、そんな形容をされるバラエティに富んだ三人はどのように出会ったのか・・・言いたいことを言える、というのはどれほど重要でしょうか。巡り会ったそのときから三人のキャラクターが出ているのがおもしろいですね。

 三人の特徴が強く打ち出された作品集です。決して特別珍しくもないキャラクター構成だと思うのですが、プラスとマイナスとゼロの関係を絶妙に組み合わせて、ユーモア溢れる部分とシリアスな部分にメリハリをつけています。
 ミステリとしてはやや小粒で、若竹ミステリを期待した方はちょっと残念に思うかもしれません。しかし、これは楽しい青春小説であり、そして何より若竹さんらしいブラックな味わいがしっかり含まれていて、楽しませてくれます。
 そうそう、角田港大先生も登場。やっぱりあの内容はよろしくないんじゃないですか。

収録作:「そして、彼女は言った〜葉崎山高校の初夏〜」「青ひげのクリームソーダ〜葉崎山高校の夏休み〜」「悪い予感はよくあたる〜葉崎山高校の秋〜」「クリスマスの幽霊〜葉崎山高校の冬〜」「たぶん、天使は負けない〜葉崎山高校の春〜」「なれそめは道の上〜葉崎山高校、1年前の春〜」
関連作:『ヴィラ・マグノリアの殺人』『古書店アゼリアの死体』『クール・キャンデー』『猫島ハウスの騒動
2009年1月19日読了
2009.01.30 Friday 22:13 | ら・わ行(若竹七海) | comments(0) | trackbacks(55)

若竹七海『水上音楽堂の冒険』

評価:
若竹 七海
東京創元社
---
(1992-05)
Amazonおすすめ度:
溢れる悪意
 自転車との事故で頭を打ち、記憶に障害を負った荒井冬彦。親友の静馬に頼まれ、真魚とともに水上音楽堂での卒業コンサートの準備を手伝った。だが、冬彦の記憶の件が発端になって、静馬と後輩の水江が喧嘩をしてしまう。そして翌朝、水江が遺体で発見された。容疑者は静馬。冬彦と真魚は静馬を救うために乗り出した。事件の鍵を握るのは、冬彦の記憶だった・・・

 もう15年ほど以前に刊行された若竹さんの第3作。表紙からして爽やかな学園ミステリを想起させるのですが・・・見事に騙された感じです。
 この初期の段階ですでに人間の悪意であるとか暗い部分に焦点を当てていたということは、前作にあたる『心のなかの冷たい何か』を読んだときにもわかっていました。この作品では主要な登場人物であろうが容赦なく表と裏を書き切っている点が残酷で特に心に残りました。
 とにかくビターです。後味の悪さはなかなかのものです。ファンはそれを承知で読むのですから苦にはならないかもしれませんが、軽いトラウマになるかも。

 繰り返される4文字の言葉が文庫化を阻んでいるとも言われていますが、そうであれば全面的に改稿してでも文庫化してほしい作品。いや、その方が新作を読んだようなお得な気分になれるかも。
2007年9月13日読了
2007.09.17 Monday 15:40 | ら・わ行(若竹七海) | comments(0) | trackbacks(0)

若竹七海『猫島ハウスの騒動』

猫島ハウスの騒動
猫島ハウスの騒動若竹 七海

光文社 2006-07-21
売り上げランキング : 42118

おすすめ平均 star
starミステリ初心者にも良い
star猫たちににんまり

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 人間よりも猫の数が多いという猫の楽園・猫島。稼ぎ時の夏休みに、民宿「猫島ハウス」の娘・杉浦響子は家業の手伝いに精を出していた。一方、同級生の菅野虎鉄はナンパに精を出した結果、入り江でナイフが突き刺さった猫を見つけてしまった。平穏だった猫島は、大騒動に巻き込まれていく・・・

 若竹さんの久しぶりの新作『猫島ハウスの騒動』は、あの葉崎の先にある猫島が舞台。それだけにかなり期待していたのですが、その期待にこたえてくれる作品でした。

 たくさんの猫はもちろんのこと、数多く登場する人物たちが魅力的です。それぞれに多かれ少なかれ役割が与えられ、面白おかしくユーモアいっぱいに書かれているのですが、そんな中に若竹さんの独特な毒というか、シニカルな部分が紛れ込ませてあります。
 しかも、それがいかにもいそうな人物ばかり。あんな人、こんな人。「いるいるっ」て人ばかり。こういう感覚が、物語にのめりこませるコツなのかもしれません。

 もちろん、物語も謎解きがしっかりしています。読んでいる過程では、多少あちこちへ広がりすぎている気もしたのですが、最後にはそれがしっかりキュッキュッキュッとまとめられていきます。あちらこちらに撒き散らされた伏線が一箇所に集められる様は圧巻です。
 伏線といえば、なんだかいろいろなことが次回作へつなげられていくような感じです。例えば、響子と虎鉄の間には、修学旅行で何があったのかとか。早くも次回作が楽しみなのです。

 欲を言えば・・・夏休みの午後に、リゾート地で読みたかった! そんな本です。
2006年9月2日読了
2006.09.03 Sunday 00:00 | ら・わ行(若竹七海) | comments(0) | trackbacks(0)

若竹七海『心のなかの冷たい何か』

心のなかの冷たい何か
心のなかの冷たい何か若竹 七海

東京創元社 2005-12-17
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おすすめ平均 star
star寒さと温もりの季節−クリスマスに向けてのストーリー

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 一人旅の途中に若竹七海が出会ったのは、奔放な振る舞いの美女・一ノ瀬妙子。自分とは相容れないものを感じていたが、後日、妙子から誘われ、クリスマスイヴをともに過ごす約束をする。しかし、七海は数日後に妙子が自殺未遂を図ったと知らされ、自宅には妙子からの手記が郵送されてきた。手記は、天才を自負する毒殺魔の独白から始まるものだった・・・

 今から14年ほど前に刊行された若竹さんの第2作。デビュー作『ぼくのミステリな日常』の続編です。
 2部構成になっているのですが、圧巻だったのは1部の方。とにかくこの毒殺魔の手記のインパクトが強いんです。普段ホラーとかサイコサスペンスとかはあまり読まないからか、この描写は強烈でした。あまりに簡単な手口なのに、おそらくは気づかれないであろう様々な毒のオンパレード。この手記が1冊続いていたら、正直なところちょっと僕にはつらいかな。そして最後には・・・思わず1部をもう一度見返してしまいました。
 一方2部は主人公若竹七海の探偵活動記。天才的名探偵というよりも、地道に敵と対峙するハードボイルド的探偵といったところでしょうか。後の葉村晶に通ずるところがあります。
 埋もれていた作品と言ってもいいと思いますが、この頃からすでに人間の悪意というか、暗い部分に焦点を当てていたのですね。
 ただ、先入観があるためか、なんとなく一昔前の作品というイメージはしました。小道具とかは全く気にならなかったのですが、どうしてでしょう。

関連作:『ぼくのミステリな日常』
2006年1月13日読了
2006.01.16 Monday 00:00 | ら・わ行(若竹七海) | comments(0) | trackbacks(0)

若竹七海『死んでも治らない』

死んでも治らない
死んでも治らない若竹 七海

光文社 2005-01-12
売り上げランキング : 142479

おすすめ平均 star
starたくさんの仕掛け
starどっちがマヌケ?
starやっぱりおもしろい

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 元警察官が書いた『死んでも治らない』という本・・・そこにはおバカでおマヌケな犯罪者たちのエピソードが書かれていた・・・それを書いたために、著者の大道寺圭はエピソードのたねである犯罪者たちにつきまとわれてしまう。犯罪者たちの悩みや相談に半強制的にのせられる危険な安楽椅子探偵、大道寺圭の事件簿。

 「死んでも治らない」「猿には向かない職業」「殺しても死なない」「転落と崩壊」「泥棒の逆恨み」の5編の間に「大道寺圭最後の事件」が細切れに挿入されている連作短編集。目次を見ただけでデビュー作『ぼくのミステリな日常』以来得意としている“あの形式”の短編集だとわかります。

 各短編とも巧妙に伏線が引かれ、それが鮮やかに謎解きへと結実していきます。ユーモアかつブラックそしてビターな味わいが残る作品です。
 個人的には大道寺圭という人物に、なぜかひ弱なイメージを持っていたので(原因不明)、ハードボイルドのような活躍にびっくり! 彦坂夏見嬢や角田港大なども登場、楽しませてくれます。

収録作:「死んでも治らない」「猿には向かない職業」「殺しても死なない」「転落と崩壊」「泥棒の逆恨み」「大道寺圭最後の事件」(1〜6)
2005年2月2日読了
2005.02.03 Thursday 00:00 | ら・わ行(若竹七海) | comments(0) | trackbacks(0)