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2009.09.29 Tuesday | - | - | -

橋本紡『月光スイッチ』

評価:
橋本 紡
角川書店
¥ 1,365
(2007-03)
Amazonおすすめ度:
これまでと違う感じ
 ただ抱きしめあっているだけで感じられる幸せ。でも、大好きなセイちゃんには奥さんがいる。しかも、奥さんは出産を控えているのだ。奥さんが実家に帰っている間は、セイちゃんと一緒に暮らすことができる。二人だけの、仮の新婚生活の始まり・・・

 橋本さん流の不倫小説。でも、ほかの人のとはちょっと違う。
 いけないことだとわかっている、愚かなことだとわかっている。でも止められない想い。葛藤。泥沼・・・不倫小説というのは大体そんなところじゃないかと想像します。
 ただ、『月光スイッチ』の場合ちょっと違うんです。ドロドロした感じ、生臭さというか、下品さがないんです。ちょっとした修羅場もあるのだけれど、いたって爽やか。そしてのほほんとしているんです。扱うテーマは変わっても、いつもの橋本さんなんです。
 それは、文体がもたらす効果なのかもしれないし、さらに言えば言葉の選び方なのかもしれません。あるいは、登場人物の行動や性格によるものかもしれません。
 ストーリー自体はいたって平凡で、特別なひねりのようなものはありません。その辺のプラスアルファに欠けるのが残念。ハナちゃんのくだりはなかなかよかったですね。

 橋本さんの作品は料理へのこだわりも感じられるのですが、それ以上に今回は押入れという設定に家の中へのこだわりを感じました。階段とか、玄関とか、家の中を小道具的に今までも使っていたことを思い出したんです。中でも今回は一番説得力がありますね。
2007年7月10日読了
2007.07.13 Friday 11:52 | は行(橋本紡) | comments(0) | trackbacks(0)

橋本紡『空色ヒッチハイカー』

空色ヒッチハイカー
空色ヒッチハイカー橋本 紡

新潮社 2006-12
売り上げランキング : 78580

おすすめ平均 star
star18歳が無免許で九州までドライブ+かわいい女の子つき
star究極の青春
starだけど、おまえは俺を理解しようとしたか

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 常に憧れだった兄が突然いなくなった。受験生の僕は、思いたって国道1号線を西に向かうことにした。兄が残した、空のように青いキャデラックに乗って。旅の相棒は杏子ちゃん。タンクトップにミニスカートといういでたちの彼女を乗せて、キャデラックはひたすら西へと走り続ける。そして、たどり着いた先に待っていたのは・・・

 光り輝く青春ロードノベル。とにかく西へ西へと国道を1号線、2号線そして3号線へとひたすら突き進むわけですが、彰二が自分よりも年上の杏子ちゃんをキャデラックに乗せたことにより、長旅はおもしろくなります。
 ポイントとしては、とにかく彰二が子どもっぽいことですね。一人前のような口は利くけれど、実際には世の中のことなんて何もわかっていない。でも年齢を偽っているから、兄が言っていたようなことを真似して言ってみる。背伸びの連続なんです。だから年上の杏子ちゃんには常に主導権を握られ、簡単にいなされたり軽くあしらわれたりしています。杏子ちゃんが彰二を引っ張り上げる役目になっているようで、この辺の設定がラストで生きていて、彰二の成長を読み取ることができます。
 終盤近くまでは彰二と杏子ちゃんの2人にヒッチハイカーが入れ替わり加わって行く道中です。常に偉大な兄彰一の背中を追いかけ続けていた彰二としては少なからず劣等感を抱えていたのだけれど、特に石崎さんとの絡みではその博識ぶりに舌を巻き、劣等感が露わになっている気もします。勉強ができるということと、世の中で役に立つ知識を持っているということは全く異なるのです。

 こんなに情けなく頼りない優等生の彰二だけれど、ラストではこの長旅での体験もあって明日に向けて力強い一歩を踏み出します。兄の人生と自分がすすむべき人生は違うのです。自分で切り開かないといけないのです。彰二ならできるのです。だって、ちょっと挑発的でわがままだけどあんなにキュートでやさしい杏子ちゃんがついているんだから。
 今まで落ち着いたあるいは静かな印象の作品が多かっただけに、こういう明るめのタッチの作品が橋本さんのイメージとは合わない予感もしていたのですが、全くそんなことはなく十分に楽しませてもらいました。
2007年2月16日読了
2007.02.19 Monday 13:24 | は行(橋本紡) | comments(0) | trackbacks(1)

橋本紡『ひかりをすくう』

ひかりをすくう
ひかりをすくう橋本 紡

光文社 2006-07-21
売り上げランキング : 93468

おすすめ平均 star
starスロウな小説
starほのぼの♪
star本当に必要なことは?

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 仕事をやめ、田舎の一軒家での生活を始めた智子と同居人で主夫の哲ちゃん。デザイナーだった智子は、仕事に熱中しがんばりすぎたためにパニック障害を引き起こしていたのだった。がんばらないようにがんばる二人の日常。

 仕事をやめて田舎に引っ越すというのは、とかく競争社会からの脱落のようなネガティブなイメージでとらえられがちです。年配の方ならともかく、若い人ならなおさら。しかし、この二人の場合は脱落でも逃亡でもなく、脱出への挑戦のような感じです。いろいろな点でネガティブには感じられませんでした。
 では、自分の身に置き換えてみるとどうでしょうか。仕事をやめ、田舎で暮らす。そんなことができるでしょうか。もちろん、できる人もいるのでしょうが、様々なしがらみを断ち切って行くことはなかなか難しいでしょう。そういったところから、ちょっと現実感が薄いというか、パラレルワールドのような雰囲気を感じてしまいました。

 『ひかりをすくう』は橋本さんの半自伝的な作品だと聞いています。きっと自身を智子に置き換えられたのでしょうが、だとしたらとても幸福な生活ではないでしょうか。

 余談ですが、足の大きさが左右で1センチも違ったら、靴を履くときとか買うときとかに気付くと思います。
2006年11月11日読了
2006.11.13 Monday 00:00 | は行(橋本紡) | comments(0) | trackbacks(0)

橋本紡『流れ星が消えないうちに』

流れ星が消えないうちに
流れ星が消えないうちに橋本 紡

新潮社 2006-02-20
売り上げランキング : 44834

おすすめ平均 star
star元恋人への想い
star「流れ星に願いをかけよう」
star死はそれが終わりではない。

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 最愛の人加地君を事故でなくしてしまった奈緒子と、今の恋人で加地君の親友だった巧。大切な人を亡くしてしまった二人は、鮮明な記憶として残っている彼にしばられながらどのように生きていくのか。

 1冊前に読んだ『忘れないと誓ったぼくがいた』が存在だけでなく記憶までなくなってしまう二重の喪失の物語だったのに対し、こちらは残された記憶をとどめること、忘れることに悩み続ける物語。そういった意味で非常に対照的な2冊でした。
 こういった設定はリアリティはあるものの、反面ありがちな設定であって、それらの作品群の中に埋没してしまう危険性を伴っています。それだけにどこかに秀でたところがほしいのです。この作品の場合、よくある日常の日々を扱っている作品でありながら登場人物の感情がひしひしと強く伝わってくる巧さ、そして気持ちのやさしさでしょう。紛れもなく、これは橋本紡の作品でした。

 大切な人を亡くしたあとという点では、『半月』での夏目と小夜子、あるいは未来の裕一と里香のことがすぐに連想されました。集大成的な続編なのですね。

2006年3月14日読了
2006.03.14 Tuesday 00:00 | は行(橋本紡) | comments(0) | trackbacks(0)

橋本紡『半分の月がのぼる空(6) life goes on』

半分の月がのぼる空〈6〉
半分の月がのぼる空〈6〉橋本 紡

メディアワークス 2006-02
売り上げランキング : 4331

おすすめ平均 star
star裕一と里香の最後の物語
star予想外
star本当に良かったです…。

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 裕一と同じ高校に通うようになった里香。ともに18歳だが、裕一は留年し2年生、里香は1年生に編入となった。年下の同級生たちと同じクラスだが、ありふれた、そして2人にとって特別な学校生活が始まった。

 夏に短編集を残してのシリーズ完結編。
 病院を出てもあいかわらずいろいろやらかしてくれる里香。でも心臓のこともあってすごく人生を楽しんでいるように見えます。
 一方留年した裕一は進路に悩む友人たちに対する羨望や嫉妬がないまぜになったような感じがよく出ています。身から出た錆のような部分もありますけどね。
 5巻で一応の区切りになっているので、蛇足のようになってしまう危惧もあったのですが、読んでみればそんなことはなく、むしろこの6巻があってこそ完結したという感じでしょうか。

2006年3月6日読了
2006.03.09 Thursday 00:00 | は行(橋本紡) | comments(0) | trackbacks(0)