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2009.09.29 Tuesday | - | - | -

大倉崇裕『オチケン!』

評価:
大倉 崇裕
理論社
¥ 1,365
(2007-10)
Amazonおすすめ度:
落語ミステリー
 学同院大学に入学した越智健一はなりゆきで落語研究会に入部することになってしまった。先輩の岸と中村は過去に名推理を披露したことがあるようで、落研には次々と謎が持ち込まれるが、それを解く役目はなぜか越智に・・・

 中編2作にウェブ連載されたエッセイを併録した作品集。すでに「季刊落語」の編集長牧大路と新米編集者間宮緑のコンビが活躍するシリーズを持つ大倉さんにとって、落語ものとしては2つ目のシリーズです。
「幽霊寿限無」
 廃部寸前の落語研究会に入部させられてしまった越智。幽霊が出るという部室で聞こえるはずのない寿限無を聞いてしまい、しかも部室の維持に必要な申請書が消えてしまう・・・幽霊騒ぎと消えた申請書という2つのなぞに、落語をうまく組み合わせた作品。前座噺の寿限無から入るあたりも見立てでしょうか。
「馬術部の醜聞」
 学内を仕切る馬術部の一年生が喫煙している映像が送りつけられた。もみ消したい馬術部は学内にいる撮影者の割り出しを越智に依頼してきたのだが・・・部室をめぐる人間関係がなんともおもしろい1編。

 読者層を意識しているのか、どちらの作品も比較的わかりやすく仕立てられています。ミステリはもちろん、落語に詳しくない読者でもすんなり入ることができます。
 また、主人公の越智くんの巻き込まれっぷりは白戸くん以上かも。登場人物もおもしろく、ユーモアミステリの魅力満載です。
 やや地味ではありますが、入門編に適した中編集と言えるでしょう。

収録作:「幽霊寿限無」「馬術部の醜聞」
2008年1月14日読了
2008.01.18 Friday 18:51 | あ行(大倉崇裕) | comments(0) | trackbacks(0)

大倉崇裕『福家警部補の挨拶』

福家警部補の挨拶
福家警部補の挨拶大倉 崇裕

東京創元社 2006-06-27
売り上げランキング : 114146

おすすめ平均 star
star『コロンボ』のスピリッツを継いだ、古典的で上質なミステリー
starコロンボ、古畑を知らずとも楽しめます
star旧コロンボの世界観!

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 練りに練られた計画殺人。しかし、犯人を鋭く追い詰めていく一人の刑事がいる。福家警部補は巧みな話術と豊富な記憶、そして幾晩もの徹夜に耐えうる体力を武器に犯人の口を割らせてしまうのだ。コロンボマニアの手による倒叙推理作品集。

 倒叙推理といえばやっぱり刑事コロンボであったり、古畑任三郎であったりするのだけれど、その流れを確実に継いでいる作品集。これは楽しい。犯人の追い詰められていく心情を手に取るように理解でき、その一方福家警部補の心情はまるでベールの向こうに隠されているかのようにわからない、このギャップがスリリングです。

 コロンボも古畑も詳しいというほど見たわけじゃないのですが、この2つと『福家警部補の挨拶』を比較すると端整に書かれた分だけユーモアが足りない。そしてこれは意図的なことかもしれないのですが、主人公である福家警部補の特徴が薄いかな。いっそのこと萌えキャラのようにしてしまってもいいかも。ただ、そうするとドラマ化したときのキャステイングが・・・
 こういった倒叙物の場合、警察や探偵役が犯人に目星をつけるきっかけとなるのが犯人のミスだったりすることが多いと思うのですが、そういったパターンを回避した「オッカムの剃刀」はその点だけでも唸ってしまいました。

 『ミステリーズ! Vol.19』には「福家警部補の災難」も収録され、シリーズは続いていく模様。次も楽しみです。

収録作:「最後の一冊」「オッカムの剃刀」「愛情のシナリオ」「月の雫」
2006年11月27日読了
2006.11.27 Monday 00:00 | あ行(大倉崇裕) | comments(0) | trackbacks(2)

大倉崇裕『白戸修の事件簿』

白戸修の事件簿
白戸修の事件簿大倉 崇裕

双葉社 2005-06
売り上げランキング : 230972

おすすめ平均 star
star全体的に印象が薄い
star愛すべき主人公♪

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 大切な試験の前日、突然友人がやってきた。彼は殺人の容疑をかけられていたのだ。善良な大学生である白戸修にとってはいい迷惑だが、お人よしの彼にとっては見過ごすことはできなかった・・・

 第20回小説推理新人賞受賞作「ツール&ストール」を含む連作短編集。旧題『ツール&ストール』を文庫化に伴い『白戸修の事件簿』に改題。
 スリ、ステ看、銀行強盗、ストーカー、万引きと数々の犯罪行為に巻き込まれていく白戸。誰が呼んだか巻き込まれ探偵。
 もっとも、白戸自身は探偵と呼ぶにはそれらしき活躍は少なく、巻き込まれた事件にそのまま引きずり回され、事件に波風を立て、最終的に解決してしまったという感じです。よって、探偵としても当然無自覚。
 扱われている事件はほとんどが軽犯罪(銀行強盗もあるけれど)。短編ですし、どうしてもインパクトは薄くなってしまいます。
 ただ、最後に明らかになる事件の真相への展開は大変おもしろく、彼が本当はどんな出来事に巻き込まれていたのかというホワットダニットとして読み応えがあります。
 肩肘張らずに気軽に読める短編集です。ぜひ続編を。

収録作:「ツール&ストール」「サインペインター」「セイフティゾーン」「トラブルシューター」「ショップリフター」
2006年7月14日読了
2006.07.16 Sunday 00:00 | あ行(大倉崇裕) | comments(0) | trackbacks(0)

大倉崇裕『やさしい死神』

やさしい死神
やさしい死神大倉 崇裕

東京創元社 2005-01-08
売り上げランキング : 290262

おすすめ平均 star
star人生の落語者……鶴なら落伍の名人
star不完全燃焼。
starほろりとさせる落語ミステリ

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 『三人目の幽霊』『七度狐』に続く落語ミステリ第3弾の短編集。「季刊落語」の編集長牧大路と新米編集者間宮緑のコンビが落語や噺家に関わる謎を解き明かします。

●「やさしい死神」
 破門した弟子を思い出し、懐かしがる老いた師匠・月の家栄楽。その栄楽が自宅で転倒、入院した。「死神にやられた」といって・・・美しき師弟愛を描いたほほえましい作品。
●「無口な噺家」
 脳梗塞から復帰を間近に控えた松の家文喬。しかし、妙によそよそしい弟子や、寄席の近所に救急車を呼ぶ悪戯電話など緑には気になることが・・・最後の一捻りが絶妙です。
●「幻の婚礼」
 小学校時代の同級生から結婚式の司会を依頼された鈴の家梅太郎。だが、当日になって式が予定されておらず、しかも依頼してきた新婦はかなり以前に死んでいると知らされて・・・正直、ここまで手の込んだことをする必要がないような気が・・・
●「へそを曲げた噺家」
 華駒亭番治の高座の最中に、客席から携帯電話の着信音が! 気分を害した番治は途中で噺を打ち切ってしまう。着信音の主は番治の後援会長。しかし、電源は切っていたはずだと言い張るが・・・思いがけず、人の情を感じられる作品。
●「紙切り騒動」
 将来有望な若手、松の家京太は師匠京楽から破門を言い渡された。紙切りに転向したいと言ったことが原因らしい。京太は伝説の紙切り「紙切り光影」に弟子入りしたいと言うが・・・光影を探しに一人京都へ向かった緑の奮闘ぶりが見所。

 今作のテーマは緑の成長。過去2作ではただひたすら牧の背中を追い続け、振り回されっぱなしだった緑ですが、今作では自らの力で推理し、真相へ近づこうという傾向が見られます。牧の留守中に牧の師匠京友成の力を借りた「幻の婚礼」や、牧にやや突き放されるように京都へ向かった「紙切り騒動」からの印象が強いためです。

 全体として親子や師弟の情を扱ったものがそろった短編集。ただ、扱うのがいわゆる日常の謎なだけに、突き抜けたインパクトにやや欠ける点があります。もう少し、あっ! と言わせてくれるともっとうれしいですね。

収録作:「やさしい死神」「無口な噺家」「幻の婚礼」「へそを曲げた噺家」「紙切り騒動」
関連作:『三人目の幽霊』『七度狐』
2005年4月21日読了
2005.04.22 Friday 00:00 | あ行(大倉崇裕) | comments(0) | trackbacks(0)

大倉崇裕『七度狐』

七度狐
七度狐大倉 崇裕

東京創元社 2003-07
売り上げランキング : 322496

おすすめ平均 star
starまあまあかな
starやり過ぎが裏目
star面白い!

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 静岡の山奥にある杵槌村で開かれる春華亭古秋一門会。世襲とされる「古秋」の七代目を指名する一門会である。豪雨で陸の孤島となった杵槌村。そこでおきる殺人事件!

 全編を五代目古秋の影と、五代目古秋が構想していた7回騙す「七度狐」が貫いています。クローズドサークル、見立て殺人、安楽椅子探偵と本格の要素もふんだんに盛り込まれています。
 連続殺人の犯人当てはもちろんですが、五代目古秋失踪の謎、見立てになっている「七度狐」の騙しなど、読み進めていく楽しみもたくさん。伏線もラストで回収され、そこには驚きの結末が用意されています。
 もう少し派手さがあれば、もっと注目を浴びることができる作品だと思います。丹念に描かれた古風というか伝統的な本格ミステリです。

関連作:『三人目の幽霊』『やさしい死神
2004年9月16日読了
2004.09.16 Thursday 00:00 | あ行(大倉崇裕) | comments(0) | trackbacks(0)