こんな夜だから書庫に行こう

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2009.09.29 Tuesday | - | - | -

ゆずはらとしゆき『空想東京百景』

評価:
ゆずはら としゆき,toi8
講談社
¥ 2,625
(2008-05-08)
Amazonおすすめ度:
素材は魅力的、なはずなのに
値段以外は満足
値段が高い、同人誌チック、詰め込みすぎ
 昭和二十年八月。東京に三発目の新型爆弾が投下された。それは、広島や長崎でのそれとは異なる呪詛爆弾。数十年は草木も生えぬと言われた東京だが、その敗戦から十数年、数年後にオリンピックの開催を控えるほどに復興した。男装の美少女探偵矢ノ浦小鳩のもとには、今日も新たな依頼が・・・

 これは本物の奇書。
 昭和三十年代の東京、しかもパラレルワールドを、虚実様々なものを組み合わせて見事に構築した奇書。この完成度の高さはなかなか表現の仕様がないのです。巨人では投手として大成しなかった馬場正平が日本人初のメジャーリーガーになったりなんてホンの序の口。ショーマンシップに満ち溢れた大相撲(しかも巨大化する)や、半機械化された警視庁0課の刑事など、限りなく現実に近い部分と限りなく妄想全開の部分が渾然一体となってこの世界をつくりあげているのです。
 そう、物語の主役はこのパラレル東京、この街、この世界。
 また、ゆずはらさんの世界を補足する訳ではないでしょうが、かなりの分量で挟み込まれるtoi8さんのイラストが、この世界をより強固なものにしています。

 ただ、この本を本当におもしろいと思えるか否かは、この世界の全容をどれだけつかめるかということにかかっているように感じました。本文はもちろんのこと、toi8さんのイラストや細かく記された注釈、年表までも堪能し、理解してこそおもしろいといえるのだと思うのです。さすがに僕はその域まではたどり着けませんでした。やはり、500ページ近いボリュームとこの濃密な世界はちょっと敷居が高いようです。
 おもしろかったとは迂闊に言えないので、すごかったと言わせてもらいます。第三期が出たなら、きっと読むと思います。
2009年2月20日読了
2009.02.24 Tuesday 20:42 | や行(その他) | comments(0) | trackbacks(0)

山科千晶『つきこい』

評価:
山科 千晶
メディアワークス
---
(2007-11)
Amazonおすすめ度:
よかった。
 渋谷の月待ち女。それは、毎月満月の晩に渋谷のハチ公前で亡くなった恋人が帰ってくるのを待っている変人と噂される女性、イズミ。噂を知った新谷は彼女を遠くから眺めただけだったが、ハチ公前に行くたびに彼女がその日も待っているのか気になりだした・・・「つきこい」

 表題作「つきこい」とイズミがハチ公前で待ち続けるようになったきっかけの物語「月下少年」の中編2作を繋いだストーリー。
 正直、「つきこい」の路線でいってくれたほうがよかったです。「つきこい」は大学生でバンドをしている新谷の青春と恋愛が、イズミのミステリアスな雰囲気と相まって幻想的な雰囲気のラブストーリーになっています。しかし、その前日譚にあたる「月下少年」にはファンタジー的な要素が入ってきて、微妙な感じがしてしまいます。ちょっと浮いてしまって。いや、それぞれ独立した物語ならこの要素も割り切って考えられたのかもしれませんが、密接な関係にある2編だけに、なかなかそのようには割り切りにくいのです。

 もちろん、「つきこい」から始まってイズミに月待ち女のエピソードがついているのですから、何らかの形でそのきっかけを語る必要はあるでしょう。しかし、そこにこれというのはちょっと残念でした。
 でも、こういう構成できれいにまとめられているのは好きですね。

収録作:「つきこい」「月下少年」
2008年2月16日読了
2008.02.18 Monday 14:05 | や行(その他) | comments(0) | trackbacks(0)

吉野万理子『秋の大三角』

秋の大三角
秋の大三角吉野 万理子

新潮社 2005-12-15
売り上げランキング : 396943

おすすめ平均 star
starう〜ん、ちょっと無理です。
starヤングアダルト向けファンタジー
star引き込まれてしまった!

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 横浜で「ツタの学園」と呼ばれる中高一貫の女子校に通う里沙。中学二年の彼女にとって憧れの存在は、バスケ部のエースで、しかも演劇部の大先輩詩央の妹である真央。「ツタの学園」では根岸線に登場するキス魔の痴漢が噂になっていたが、痴漢はこともあろうに里沙の目の前で真央とキスしたのだ・・・

 第1回新潮エンターテインメント新人賞受賞作。一人選考委員だった石田衣良さんの選評にもあるとおり、テンポがよく読みやすい文章で、それだけでも好感度が高い作品です。吉野さんは新人とはいえ脚本家として書き慣れているであろう方なので、それくらい当然なのかもしれません。
 さて、読んでいて気になった点がいくつか。
 まず、主人公里沙があまりに幼く、行動や思考がエキセントリックすぎます。親友の由希が事前に秘密を明かさなかったことから遠ざけたり、母親が家を出て行ったことから短絡的に退部届を出して顧問に押し付けたり、様子が不可解だからと折れたゼムクリップで突然人に刺したりと、僕の理解を超えています。しかも、他の誰からもたしなめられたりせず、普通の行動として書かれているから困惑してしまいます。
 さらに、「ツタの学園」で憧れの的である真央が魅力的な人物だとは感じられません。確かにバスケ部のエースとして活躍し、ピアノもできるという多彩な人物なのかもしれませんが、その行動は独善的で身勝手。傍目にはよくても中身が・・・
 また、好みの問題でしょうが、ファンタジー的な要素はいれず、青春小説に徹してもよかったかもしれません。現実の横浜をふんだんに登場させていてリアルでしたし。この作品世界にあの要素というのはちょっと違和感がありました。

 しかし、何だか文句をつけてばかりの気もしますが、それでも結構楽しく読みました。展開もスリリングで、引き込まれました。「ツタの学園」での生活とかおもしろかったですし、何より東急東横線とMM21線の直通がこんな形で出てくるとは。ちなみに僕は横浜の地理が頭に全くないので、地図を見ながら読みました。きっと「ツタの学園」のモデルはあの学校なのだろうとか。
2007年5月25日読了
2007.05.29 Tuesday 11:23 | や行(その他) | comments(0) | trackbacks(0)

依井貴裕『記念樹』

 大学生の富岡秀之が通うゼミには個性的なメンバーが揃っている。手品を得意としている高屋、白馬の王子様を信じてやまない朋美、男性陣の憧れの的佳代子、そしてミステリマニアの多根井理。試験の模擬解答作りに高屋のマンションに集まっていると、ゼミ仲間の芦田から電話が。しかもその電話中に何者かに襲われた模様。誰が芦田を・・・

 東京創元社から「創元ミステリ'90」の1冊として出版された作品。現在の鮎川哲也賞の前身に当たる「鮎川哲也と十三の謎・十三番目の椅子」の最終候補作を改稿したもので、依井さんのデビュー作です。若竹七海さんや加納朋子さんよりもデビューは早いのですね。

 ありとあらゆるところに伏線が張り巡らされ、登場人物たちの行動のほとんどすべてが事件とその解決に奉仕している、そんなロジック重視のストレートなミステリです。
 密室とアリバイというトリックの重要な要素を取り込み、ちょっと一般的ではないあの建物はさながら館のようなもの。道具立てはすべて整い、さあ、あとは解決を待つだけってところで登場するのが「読者への挑戦」なのです。「読者への挑戦」なんてずいぶん久しぶりな気がします。それだけ最近はこういう本格を読んでないってことですね。反省。

 さて、このように依井さんの本格ミステリに対する造詣の深さと愛情が感じられる『記念樹』なのですが、ちょっと残念だったのは「挑戦」以後の解決部分が冗長に感じられたことと、必要と思われない登場人物がいることでしょうか。もうちょっとシンプルでわかりやすい解決にできそうな気がするし、どうせなら数合わせ的な登場人物は排除してもよかったと思うのです。
 それにしても、依井さんのこの寡作っぷりはすごいですね。4年に1作のペースです。といっても、最新刊の『夜想曲』は20世紀の作品ですが。もう書く気はないのでしょうか。もったいない。ぜひもう一度新作を書いてほしいのと同時に、初期の3作は創元推理文庫にならないもんですかねえ。
2006年12月7日読了


 ネタバレの感想をこちらにちょっとだけ追記しました。未読の方はご注意ください。
2006.12.07 Thursday 00:00 | や行(その他) | comments(0) | trackbacks(0)

矢作俊彦『ららら科學の子』

ららら科學の子
ららら科學の子矢作 俊彦

文藝春秋 2006-10
売り上げランキング : 67264

おすすめ平均 star
starリアルな描写
star家族人としての再生物語
starストーリーのおもしろさというよりも…

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 人によってさまざまなとらえ方ができる小説だと思いました。
 大学紛争の際に殺人未遂で指名手配になった若者が、中国へ渡り山里でひっそりと暮らす。30年たって彼は蛇頭の船で日本へ帰ってきた。生まれ育った街は30年の間に大きく変貌していた。彼は妹を探し出そうとする・・・

 一種の浦島太郎的な物語。浦島太郎はどうだったか覚えていませんが、少なくとも彼には自分が大切にしなければならない人がいた。それが、最終的には彼を奮い立たせる行動力の源になっています。帰国時の頼りなさげな感じは、再び中国へ渡るときには全くなくなってしまいました。
 読みながら、「最後は成長した妹と会ってハッピーエンド」というのを予想していました。電話での会話だけでなく、そんなシーンも見たかったです。予定調和的かもしれないけれど。
 なんだかうまくまとまりません。もっと年配の、彼と同世代の方が読んだらまた違ったとらえ方ができることでしょう。

 ちなみに、カバーをめくると表紙一面に中国語版の鉄腕アトムのマンガが描かれていて、その一部がくりぬかれたカバーの穴から見えるようになっています。図書館ではわかりませんでした。
2004年10月10日読了
2004.10.11 Monday 00:00 | や行(その他) | comments(0) | trackbacks(0)