こんな夜だから書庫に行こう

はてなから感想の保管作業終了!!
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2009.09.29 Tuesday | - | - | -

加藤実秋『インディゴの夜 ホワイトクロウ』

 オープンから三年を迎えたclub indigo。一風変わったホストクラブだが心機一転、改装することに。改装期間中も休業するわけにはいかず、とりあえずなぎさママの紹介もあり仮店舗を構えることにした。バタバタしている最中、ホストたちはそれぞれにプライベートでトラブルを抱え・・・

 シリーズ第三作は、club indigoから飛び出したサイドストーリーのような短編集です。
「神山グラフィティ」
 ジョン太がいきつけにしている神山食堂。魚はもちろん、バイトの可奈が気に入ったから。だが、商店街ではシャッターへの落書きが問題になり・・・最初からあの人が怪しすぎるのは仕方ないか。しかし、植木鉢はひどいのでは。心の奥底に溜まっているものは吐き出すタイミングが重要かつ難しいですね。
「ラスカル3」
 アレックスが所属しているジムの会長が、罠にはまって一千万もの借金を抱え監禁された。アレックスは一志の一計に乗り・・・いやあ本当に詰めが甘いアレックス。まあ、あの計画でうまくいくというのもどうかと思いますが。同じジムのボンサックがおもしろかったです。あんなギミック無理でしょうけど。
「シン・アイス」
 公園で死体を見つけた犬マンとタクミ。タクミはホームレス仲間のアキオさんに殺人容疑がかかっていることから、犬マンに助けを求める・・・なんとなくあっけなく終わってしまったようで、ちょっと物足りない。悲劇なんですけどね。
「ホワイトクロウ」
 indigoの改装を手がける笠倉の片腕、白戸が失踪した。常連客でもある彼女のことを皆で心配していると、外国人から「たすけて」という電話が・・・いつもどおり晶の語りということで、読み慣れているせいかしっくりきました。ただ、失踪の原因というのがあまりに見え透いていて、もうひとひねりあってもいいような気がしました。

 過去二作に続く短編集。それだけに、今までとは違うものを目指したかったのかもしれません。それでこのような作品を揃えたのかなと憶測したのですが、結果としてclub indigoじゃなくてもいい話になってしまったようです。表題作「ホワイトクロウ」はともかく、他の三編はいずれもホストが主人公なのですが、indigoそのものはほとんど関係ないのです。これはちょっと残念。物語そのものは小粒ながらもおもしろいものが揃っていただけに。

収録作:「神山グラフィティ」「ラスカル3」「シン・アイス」「ホワイトクロウ」
関連作:『インディゴの夜』『インディゴの夜 チョコレートビースト
2009年2月11日読了
2009.02.23 Monday 19:39 | か行(その他) | comments(0) | trackbacks(0)

北山猛邦『少年検閲官』

評価:
北山 猛邦
東京創元社
¥ 1,785
(2007-01-30)
Amazonおすすめ度:
乱歩イズムの継承者
ここではない世界のミステリー
独特な世界観。
 書物を所有することが禁じられた世界。旅を続ける英国人少年クリスは風変わりな町に行き着いた。家々には赤い十字架模様が落書きされ、周囲の森では首なし死体が次々と見つかる。人々は森に住む「探偵」の仕業だと言い、首なし死体を自然死として扱うのだが・・・

 ミステリ・フロンティアの一冊。
 読み出すと、とにかく冒頭の序奏が長く退屈で波に乗れず、これが続くのなら放り出そうかとも考えたりもしました。しかし、結果的に最後まで読んだのが吉。ここで提示された世界設定が結末まで重要な意味を持つのですから。そして、この世界設定も読み進めるうちにとても興味深く感じられます。書物がない。所有しているだけで厳罰に処される。愛書家、読書家にとってまるで地獄のような世界設定。書物は諸悪の根源であり、書物がないから人々は殺人もミステリも知らないのです。もう怖いもの見たさ。
 北山作品ならやはりトリックは気になります。こちらは実現性にやや疑問が残るものの、まあ納得の範疇かなあというところ。これはこういうものだと割り切るのがいいのかな。何よりも、この世界に密接に結びつき、この世界でなければありえないというのがポイントでしょうか。

 また、諸刃の剣のように思われるのは「ガジェット」の存在。おもしろい試みではあると思うのですが、ひとつ間違えると作品全体をぶち壊してしまいそうな危険性を感じます。シリーズ化していく中でも登場するでしょうが、「ガジェット」の扱いが成功と失敗の大きな分岐点になるのかも。
 語り手クリスと少年検閲官エノという微笑ましい関係のふたりにはきっとまたいつか出会えるはず。そのときを楽しみに待っています。
2008年12月4日読了
2008.12.08 Monday 23:15 | か行(その他) | comments(0) | trackbacks(0)

北山猛邦『『クロック城』殺人事件』

評価:
北山 猛邦
講談社
¥ 730
(2007-10)
Amazonおすすめ度:
適性が違うような
粗製乱造
デビュー作。だけど、秀作。
 誰もが終末を覚悟した1999年9月、荒廃した世界には磁気嵐が吹き荒れ、その影響を受けた地球規模の異常が発生していた。探偵事務所を営む南深騎のもとにはひとりの女性が訪れた。彼女が暮らす「クロック城」に出現する「スキップマン」退治を依頼したいと言う・・・

 第24回メフィスト賞受賞作。
 「物理の北山」なんて、まるで高校教師か予備校講師のように呼ばれる北山さんのデビュー作です。
 その評判の物理トリックですが、なんとなく想像したものと大差なく、拍子抜けというか残念でした。図版の使い方を含めた見せ方の問題でしょうか。ただし、こういった物理トリックで勝負しようという心意気は、叙述トリックやメタな作品も多い昨今では非常に嬉しいものです。

 もっとも、この作品で驚かされるのはこのトリックではなく、そのあとに残された怒涛の展開です。ついに明らかになる事件の真相は奇想天外なものです。それにこの作品におけるファンタジ-のような世界は、この最後の展開のために設定されたといっても過言ではないでしょう。
 トリックや事件の真相と強く結びついた世界設定でしたが、多くの要素が投げ出されたまま終わってしまったのはもったいないですね。例えば、十一人委員会とSEEMの抗争、あるいはボーガンで消されるゲシュタルトの欠片。それとも、それらはほかの作品でふたたび生かされるのでしょうか。

 いわゆる館ものの本格ミステリとこの世界観との融合を受け入れられるか否かがこの作品のポイントでは。そういう意味では、読み手を試す本格ミステリではないでしょうか。僕にとっては、ぜひほかの作品も読んでみたいと思わせる本格ミステリでした。
2008年10月21日読了
2008.10.29 Wednesday 13:29 | か行(その他) | comments(0) | trackbacks(0)

加藤実秋『インディゴの夜 チョコレートビースト』

評価:
加藤 実秋
東京創元社
¥ 1,575
(2006-04-11)
Amazonおすすめ度:
タトゥー、コンテスト
club indigoに行ってみたい。
やはり「楽しい」
 「クラブみたいなハコで、DJやダンサーみたいな男の子が接客してくれるホストクラブがあればいいのに」そんな一言から生まれたclub indigo。相変わらず事件に巻き込まれてしまうindigoのホストたち。今夜も晶とホストたちは夜の渋谷を奔走する・・・

 『インディゴの夜』に続くシリーズ第2作。今回もclub indigoのホストたちが大活躍します。4編収録。
「返報者」
 ホストたちが襲われる事件が相次いだ。エルドラドの空也は自分のヘルプ樹が怪しいと睨んでいたが・・・明らかになった犯人の心情を考えると、いたたまれない気分になります。たどり着くまでの過程がなかなかおもしろい。
「マイノリティ/マジョリティ」
 塩谷が連れていた美女は彼の後輩の妻だった。後輩は行方不明になっているのだと言う・・・ヒントに気がつく過程がやや唐突だったでしょうか。晶や塩谷の本業がらみもいいのですが、もう少しホストたちを活躍させて欲しいです。
「チョコレートビースト」
 突然襲ってきた強盗に、晶はなぎさママのバッグを投げつけ撃退した。だが、バッグは強盗に持ち去られ、しかも中にはママの愛犬「まりん」がいた・・・まりんは通称「四十三万円」。この導入部のおもしろさにぐっと引き込まれます。物語として一番きれいにまとまっていました。
「真夜中のダーリン」
 心臓の手術を受ける気がない吉田吉男。ホスト選手権に出場することで前向きに生きさせようとするが、彼らに嫌がらせが・・・ベタですがちょっといい話。空也のポイントが上がり続けるのが悔しいですね。

 全体に謎解きの要素はかなり薄く、そちらを期待された方はあまり楽しめないかも。ただし、伏線はかなり念入りかつわかりやすく用意されているので、ストーリを追う楽しみがあります。展開はスピーディー、テンポのよい軽快なエンターテインメントです。加藤さんには謎解きよりもこういった作風のほうがあっているのでしょう。次も楽しみです。

収録作:「返報者」「マイノリティ/マジョリティ」「チョコレートビースト」「真夜中のダーリン」
関連作:『インディゴの夜
2008年6月9日読了
2008.06.17 Tuesday 13:27 | か行(その他) | comments(0) | trackbacks(0)

加藤実秋『インディゴの夜』

評価:
加藤 実秋
東京創元社
¥ 714
(2008-03-11)
 「クラブみたいなハコで、DJやダンサーみたいな男の子が接客してくれるホストクラブがあればいいのに」そんな一言から生まれたclub indigo。店の人気は上々だが、なぜかホストたちが殺人や誘拐といった事件に巻き込まれてしまう。その度にオーナーの晶とホストたちは夜の渋谷を奔走するが・・・

 第10回創元推理短編賞受賞作「インディゴの夜」を含む連作短編集。全体にミステリとしての推理要素は薄く、創元推理短編賞のイメージから本格ミステリを期待した方にはやや期待はずれかも。ただし、晶とホスト探偵団の痛快な活躍は楽しく、読んで損はしないのでは?
「インディゴの夜」
 客だった編集者のまどかが殺された。容疑をかけられたホストのTKOは、彼女の部屋から怪しい女が出て行くのを見たという・・・いきなりホスト探偵たちが活躍。事件の展開はやや都合がよいようにも思え、創元推理短編賞を受賞した割にミステリ食は薄いのですが、事件の真相にはちょっとした恐ろしさを感じます。
「原色の娘」
 ジョン太が預かったのは小学生の祐梨亜。よそのホスト・空也に惹かれた祐梨亜は借りられるだけ金を借り、姿を消した・・・いつも女性客を手玉にとっているようなホストたちが、小学生に翻弄される姿がおもしろいですね。ちょっとした暗号ものですが、本当にちょっとした。
「センター街NPボーイズ」
 区長の娘が撮られたやばい写真の回収を依頼された晶たち。撮ったナンパ師は区長を強請ろうとしているが・・・東京って本当に怖いところですね。今度はセンター街での大追跡戦。
「夜を駆る者」
 憂夜への電話は、辞めたホストのBINGOからのSOSだった。晶はキャバ嬢に扮しBINGOが働いていたクロノスに潜入するが・・・憂夜さん大活躍。ジョン太たちの失態は想像どおりでしたが、その後の華々しい乱闘劇はおもしろかったです。晶がクロノスのターゲットにされた理由には思わず苦笑。

 とにかくいきいきと描かれるホストたちが魅力的。ホストといっても一般的なホストクラブのホストではなく、アフロだったりDJだったりと個性的でしかもたくましいホストたちです。彼らが独自のネットワークを生かしたり、渋谷の街を駆け巡る様はワクワクさせてくれます。
 夜の東京をちょっとだけ掘り下げ、垣間見ることが出来る短編集。続編の『チョコレートビースト』も出されていて、こちらも期待大。長編でもおもしろいかも。

収録作:「インディゴの夜」「原色の娘」「センター街NPボーイズ」「夜を駆る者」
2008年6月2日読了
2008.06.09 Monday 17:04 | か行(その他) | comments(0) | trackbacks(2)