こんな夜だから書庫に行こう

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2009.09.29 Tuesday | - | - | -

太田忠司『誰が疑問符を付けたか?』

評価:
太田 忠司
幻冬舎
¥ 1,785
(2008-07)
 「愛知県警の鉄の女」などと畏れられる京堂景子警部補。どんな難事件も解決してしまう凄腕だが、家事はすべてイラストレーターで主夫の新太郎が取り仕切り、景子を支えていた。そして、実は新太郎はほかの方法でも景子を支えていたのだ。安楽椅子探偵として・・・

 『ミステリなふたり』に続く京堂夫妻ものの短編集。
「ヌイグルミはなぜ吊るされる?」
 吊るされた死体の周りには、いくつものヌイグルミが吊るされていた・・・このほどほどの奇妙具合は、最初の事件に最適かも。
「捌くのは誰か?」
 殺された女性は料理が苦手。だが、捌いた刺身とともに発見され・・・誰でも簡単にできるわけではないのがうまいですね。
「なぜ庭師に頼まなかったか?」
 主人が殺害された豪邸では、松の枝が不恰好に伐られ・・・ムダなものがないスマートな作品。
「出勤当時の服装は?」
 堅物と思われた男は、女装した死体として見つかった・・・whyやwhereのストレートな連鎖が楽しかったです。
「彼女は誰を殺したか?」
 橋の上で一人の痴漢を撃退した女性。ところが、川からは死体がふたつ・・・景子と新太郎のちょっとした推理合戦がおもしろいです。
「汚い部屋はいかに清掃されたか?」
 ゴミ屋敷で清掃業者が殺された。ゴミひとつない部屋で・・・あの一言が!
「熊犬はなにを見たか?」
 町を自由に散歩する大きな犬を飼っていた、嫌われ者の男が殺された・・・あの一言が! その2。何気ないところに隠された手がかりが巧み。
「京堂警部補に知らせますか?」
 スポーツジムで汗を流す新太郎。そこへやってきたのは景子の同僚たち・・・安楽椅子から飛び出した新太郎が活躍する異色作。

 前作は「〜殺人事件」というタイトルの短編が並んでいましたが、今回は最後に「?」、それも有名な作品のパロディになっています。さらに『誰が疑問符を付けたか?』。遊んでますね。それでもちゃんと話の内容に関連しているところがすごいです。
 作品の構造自体は前作とほとんど同じ。あいかわらず新太郎の推理が冴えます。ただ、全体的にやや強引というか、真相がほかにあってもおかしくないような割り切れなさが残りました。一編ごとの短さが影響しているのかもしれません。
 軽快かつユーモラスな作品が並んだ短編集。二面性を持つ景子さんはもちろん、登場するキャラクターがコミカルなので、陰惨な事件でも吹き飛ばしてくれます。ドラマ化してもおもしろいかも。でも、30分枠かな。

収録作:「ヌイグルミはなぜ吊るされる?」 「捌くのは誰か?」「なぜ庭師に頼まなかったか?」 「出勤当時の服装は?」 「彼女は誰を殺したか?」「汚い部屋はいかに清掃されたか?」 「熊犬はなにを見たか?」 「京堂警部補に知らせますか?」
関連作:『ミステリなふたり
2008年9月25日読了
2008.10.04 Saturday 21:43 | あ行(太田忠司) | comments(0) | trackbacks(0)

太田忠司『奇談蒐集家』

評価:
太田 忠司
東京創元社
¥ 1,575
(2008-01)
Amazonおすすめ度:
ミステリーめかした怪奇物語
 「求む奇談!」その言葉を目にして「strawberry hill」を訪れた者たちは、この世の話とは思えない奇談を口にする。奇談蒐集家の恵美酒は喜ぶが、傍らにいる美貌の助手氷坂は奇談の謎をたちまち解き明かしてしまうのだった。

 この世の奇談を解き明かす安楽椅子探偵もの。
「自分の影に刺された男」
 子どもの頃から怖がりだった仁藤。その日も仕事帰りに自分の影のひとつが動き、背中を刺されたと言う・・・都市伝説のような現代の奇談。身につまされる人も多いのでは。
「古道具屋の姫君」
 学生の頃、矢来が本を買う予定だった金で買った姿見。そこには美しい姫君が住んでいる・・・過去だけでなく現在をも打ち砕くような真相に衝撃。
「不器用な魔術師」
 フランスで出会ったパトリスという若者は、不思議な予言で美智をアパルトマンの火災から救うと、姿を消してしまった・・・美しい思い出の苦い真相。
「水色の魔人」
 子供を消してしまう「水色の魔人」。ニッキやタッシと探偵団を結成していた懋は、魔人を捕まえようとたくらむが・・・少年探偵団、魔人という乱歩をイメージさせるような道具立て。もちろん、ストーリーも怪奇幻想的。
「冬薔薇の館」
季節外れの薔薇が咲き乱れる館。智子はこの館で暮らすことを誘われ、準備のため家に戻るが・・・真相の想像はつくが、なんとも幻想的な妖しい雰囲気が漂う作品。
「金眼銀眼邪眼」
 交通事故で妹を失った小学生大樹は、ナイコと名乗る少年に連れられ夜の世界へ足を踏み込んだ・・・この世代の奇談を大人の事情とうまく絡めてあり、その結末に感心するばかり。
「すべては奇談のために」
 作家になることを夢見ていた男は、本業の傍らライターとして都市伝説を探していた・・・書下ろしの一編は、今までとは異なるアプローチでまとめにかかりますが、やや強引だったのでは。

 全体に、奇談を語り終わると簡潔かつ速やかにその真相が明かされ、謎でもなんでもなくなってしまいます。しかし、そこには現実だけではなく、奇談が持っていた幻想的な余韻が残されています。巧みですね。
 奇談に力が注がれた分、ミステリとしての盛り上がりは若干欠けますが、それを期待するような作品ではないでしょう。奇談の持つ幻想性、神秘性や、ノスタルジックな雰囲気を楽しむべきです。

収録作:「自分の影に刺された男」「古道具屋の姫君」「不器用な魔術師」「水色の魔人」「冬薔薇の館」「金眼銀眼邪眼」「すべては奇談のために」
2008年2月25日読了
2008.02.26 Tuesday 19:33 | あ行(太田忠司) | comments(0) | trackbacks(0)

太田忠司『ミステリなふたり』

 愛知県警に勤務する警部補・京堂景子は、その冷静沈着な態度と容赦ない捜査から「鉄女」「氷の女」などと影で囁かれていた。そんな彼女もひとたび帰宅すると若い夫・新太郎にメロメロ。彼は自宅勤務のイラストレーターで、家事が得意なだけでなく、どんな難事件も解決する名探偵だったのだ・・・

 安楽椅子探偵ものを中心とした10の短編。各編とも短めで、さすがに特別な目新しさを感じるものはないものの、要所をキッチリと押さえていて、それなりに楽しませてくれます。
 基本は刑事である景子が遭遇する一風変わった厄介な事件を、家で待つ新太郎が推理し、ひとつの結論を導き出すと言うパターン。新太郎が必ず犯人まで特定するとは限りませんが、時には限りなく犯人に近いヒントを出すときもあります。
 各編のタイトルにあるような変わった事件ばかりなのですが、中でも「じっくりコトコト殺人事件」はかなり異常な状況かと。また単純なワンヒントをもとに真相にたどり着くものが多いのも特徴でしょうか。
 また、異色な存在の「ミステリなふたり happy lucky mix」もちょっと違った意味で楽しませてくれます。

 もっとも、この作品の本当の魅力は景子と新太郎かもしれません。職場と自宅で二つの顔を持つ景子と、彼女を支えながら謎を解く新太郎。このふたりの関係が絶妙です。
 読みやすく、気軽に読める短編集です。続編も書かれているようで楽しみ。

収録作:「ミステリなふたり」「じっくりコトコト殺人事件」「エプロン殺人事件」「お部屋ピカピカ殺人事件」「カタログ殺人事件」「ひとを呪わば殺人事件」「リモコン殺人事件」「トランク殺人事件」「虎の尾を踏む殺人事件」「ミステリなふたり happy lucky Mix」
2007年12月16日読了
2007.12.22 Saturday 19:12 | あ行(太田忠司) | comments(0) | trackbacks(0)

太田忠司『甘栗と金貨とエルム』

甘栗と金貨とエルム
甘栗と金貨とエルム太田 忠司

角川書店 2006-09-26
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おすすめ平均 star
starいつも胸キュン

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 探偵事務所を開いていた父を不慮の事故で亡くし、後片付けをしていた高校生の甘栗晃。ところが、父は死の直前に金貨1枚で少女・仁礼淑子の母親捜しを引き受けていた。金貨を見つけられなかったばかりに晃はしぶしぶ彼女の母親を捜し始めるが……

 高校生探偵を主人公にした青春ハードボイルド風ミステリ。
 「美枝子は鍵の中」という父親が残したメモだけを頼りにした人捜し。ご都合主義的な偶然はいくつか見られた気がするけれど、楽しく読んだ作品です。
 『甘栗と金貨とエルム』という一見しただけではどんな内容なのかわからないタイトルなのですが、「エルム」は晃が仁礼=楡から連想して淑子につけた渾名のこと。

 主に人捜しパートと、高校生パートとに分けられるのですが、前者での晃はかなり高校生らしくない。これは一人称に「私」を使っているためだけではないと思うのです。ただし、これが孤独になってしまった晃の心情を表現しているとすれば、十分に効果を発揮しているといえるでしょう。
 又、扱っている事件が人捜しのため比較的ライトなイメージがするのですが、徐々に「父親の知らなかった一面」が見えてきたり、あるいは「大人の世界の裏側」みたいなものがあらわれてきたりと、甘く見ると痛い目に遭いそうです。
 同級生の直哉や三ヶ日が出てくる高校生パートはちょっと分量が少なかったのが残念。きっとこれは続編で使うのだろう、と勝手に期待。きっと続編でもおいしそうな名古屋名物の話題は満載でしょう。ちなみに「イタリアンスパゲッティ」はこちら

 でも、つっこみたいところが1つ。いくらなんでも有力政治家の息子だったら、結婚相手の素性ぐらい事前に調査しているでしょ、きっと。
 ゲスト的に登場する藤森涼子のシリーズもまた読み返してみたいと思います。
2007年1月13日読了
2007.01.15 Monday 00:00 | あ行(太田忠司) | comments(0) | trackbacks(0)

太田忠司『夜叉沼事件』

夜叉沼事件
夜叉沼事件太田 忠司

徳間書店 1997-11
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狩野俊介が通う中学の担任教師・松永麗子が石神探偵事務所を訪れた。兄の死の真相を調べてほしいというのだ。―20年前、兄の宏が誘拐され、身代金を用意したものの犯人は現れず、警察への通報を非難する電話を最後に連絡は絶えた。やがて宏の指が発見されるが生活反応はなく、既に死亡していると断定された。一年後、妖怪伝説が伝わる夜叉沼に宏の幽霊が現れ、その場所から白骨死体が出てきたのだ。

 狩野俊介シリーズ第3弾。このシリーズは、比較的わかりやすい謎を、親しみやすいキャラクターで読ませることに主眼を置いているのでしょうか。新しい考え方でしょう。今作もそれとなく創造できる謎でした。それでもおもしろいのがいいですね。

関連作:『月光亭事件』『幻竜苑事件
1999年1月13日読了
1999.01.13 Wednesday 00:00 | あ行(太田忠司) | comments(0) | trackbacks(0)