こんな夜だから書庫に行こう

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2009.09.29 Tuesday | - | - | -

大崎梢『平台がおまちかね』

評価:
大崎 梢
東京創元社
¥ 1,575
(2008-06)
Amazonおすすめ度:
行きつけの本屋さんがある人、あった人に勧めたい
物語と謎がとうまく絡んでいない
出版社の営業マンってこうなんだ〜。
 明林書房の新米営業マン・井辻智紀は、前任者の後をついで担当の書店回りをしている。行く先々で編集部に異動した元エース・吉野と比較され続けたが、それにももう慣れてしまった。智紀は目の前に立ちはだかる謎を、吉野や他社の営業マン・真柴の力を借りながら解き明かしていく・・・

 大崎さんの新シリーズは、書店員から版元の営業マンに主人公を移した短編集です。
「平台がおまちかね」
 足を運んでいない書店が自社本を大量に売ってくれた。喜んだ智紀だが、店長の態度は素気なかった・・・扱うものがなんであろうと、やはり人と人との関係は重要。この真相はそれなりに美しいけれど、井辻にとっては結構厳しいんじゃないですか。
「マドンナの憂鬱な棚」
 各社営業マンたちのマドンナ書店員が落ち込んでいるという。それはどうして・・・正直、そこまでするかなという疑問が頭に浮かびました。本を愛する気持ちが伝わってくる一編。もちろん、本だけではないのですが。
「贈呈式で会いましょう」
 年に一度の宝力宝賞の贈呈式。智紀は老紳士から受賞した塩原への伝言を頼まれた。だが、肝心の塩原が会場入りの前に姿を消した・・・軽快だけれど、人間の持つ暗い面をしっかり書いた印象。この作品集のスパイスかも。でも温かく、しっかり救われた気分になります。
「絵本の神さま」
 初めて訪れた地方の書店は閉店していた。隣の蕎麦屋によると、前の晩も同じようにシャッターの前で立ち尽くす男がいたと・・・こういう時代だからこそ、本は本屋さんで買いたいものです。
「ときめきのポップスター」
 各社営業対抗のポップ販促コンテスト。ところが、真柴の選んだ本があちらこちらへとなぜか移動させられる・・・比較的仕組みがわかりやすい作品かもしれません。書店でこういう企画があってもおもしろいですね。

 相変わらずミステリとしては弱いかと思いますが、ミステリレーベルであることを気にしなければかなり楽しませてくれます。特に「贈呈式で会いましょう」は受賞者が来ないという謎を解く中で、井辻たちが塩原にたどりつくまでの迷走だけでなく人間の暗部と師弟愛を描いていて、非常に好感を持ちました。
 一方で、「マドンナの笑顔を守る会」の面々のキャラの濃さはどうしたものかと。コミカルかも知れませんが、このシリーズならここまで濃いキャラにする必要はない気がします。
 「成風堂」シリーズとは違う角度から書店・出版業界を取り上げた新シリーズ。リンクにも期待して続編を待ちたいと思います。

収録作:「平台がおまちかね」「マドンナの憂鬱な棚」「贈呈式で会いましょう」「絵本の神さま」「ときめきのポップスター」
2008年9月20日読了
2008.09.27 Saturday 23:41 | あ行(大崎梢) | comments(0) | trackbacks(0)

大崎梢『サイン会はいかが?』

サイン会はいかが?―成風堂書店事件メモ
サイン会はいかが?―成風堂書店事件メモ大崎 梢

東京創元社 2007-04
売り上げランキング : 9640

おすすめ平均 star
star短編の方が面白い。
star本屋さんの苦労がわかる本
star面白く、泣けます。

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 『配達あかずきん』『晩夏に捧ぐ』に続く、〈成風堂書店事件メモ〉シリーズの第3作。やっぱりこのシリーズは短編の方がいいのかな。

●「取り寄せトラップ」
 同じ本の取り寄せ依頼が4人から入るが、4人ともそんな依頼をした憶えはないと言う。しかも、それが同じ4人でまたおきた・・・犯人の意図からすれば、別段書店の取り寄せを使う必要性はないように思われ、それが残念。
●「君と語る永遠」
 社会科見学でやってきた小学生・千葉広希。書店に興味を持ったのか、何度もやってきていろいろたずねる。だが、彼にはひとつの疑惑が・・・心温まる一編。広辞苑がこんな役割を果たすとは思っても見ませんでした。
●「バイト金森くんの告白」
 バイトの金森くんが宴席で語った失恋話。だが、どこか不自然な点が・・・ちょっと鈍すぎませんか。金森くん。
●「サイン会はいかが?」
 取次が持ってきたのは、新進気鋭のミステリ作家・影平紀真のサイン会の話だった。ただし、サイン会にはひとつの条件があると言う・・・この暗号の出し方はちょっとまずくないですか。
●「ヤギさんの忘れもの」
 常連客の蔵本が封筒に入れた写真をなくしたという。彼が立ち寄った棚には見当たらないのだが・・・目のつけどころとしてはおもしろいです。

 前作『晩夏に捧ぐ』の感想に「書店員じゃなくてもいい謎」と書いたのですが、「取り寄せトラップ」とか「サイン会はいかが?」あたりはむしろ「警察に任せた方がいい謎」かもしれません。おもしろいですけど。きっかけは書店かもしれませんが、もう書店が単独で謎を解こうとするレベルの事件ではないでしょう。ちょっと首突っ込みすぎ。
 ただ、本好き、本屋好きとしては、そこを舞台としたこういう作品たちは見逃せないわけで、もっと書店ならではの部分をうまく謎に結び付けていけばいいと思うのです。それにはやっぱり短編かな。
 書きためたものがあったのかもしれないけれど、ハイペースで刊行されているので、このまま頑張ってほしいですね。

収録作:「取り寄せトラップ」「君と語る永遠」「バイト金森くんの告白」「サイン会はいかが?」「ヤギさんの忘れもの」
関連作:『配達あかずきん』『晩夏に捧ぐ
2007年6月20日読了
2007.06.22 Friday 14:19 | あ行(大崎梢) | comments(0) | trackbacks(0)

大崎梢『晩夏に捧ぐ 成風堂書店事件メモ・出張編』


晩夏に捧ぐ<成風堂書店事件メモ・出張編>
晩夏に捧ぐ<成風堂書店事件メモ・出張編>大崎 梢

東京創元社 2006-09-30
売り上げランキング : 74957

おすすめ平均 star
star引っ張り方が…
starさすが、元書店員!
star面白くて、ほのぼのとしている。

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 老舗書店に幽霊が出る! 元同僚の美保から「まるう堂」の危機を聞いた杏子は、渋々ながらもアルバイトの多絵を伴い信州に赴いた。まるう堂に出現するという幽霊は、店主たちを驚かせるだけでなく、老舗書店に存続の危機をもたらしている。しかも、事件は27年前に老大作家が殺害された事件も絡んでいるのではないかと噂されていた。

 前作『配達あかずきん』同様、東京創元社のミステリ・フロンティアとして刊行された作品。『配達あかずきん』が杏子と多絵が勤める成風堂書店にまつわる書店の謎を解いていく短編集だったのに対し、『晩夏に捧ぐ』は信州のまるう堂で過去が絡んだ事件を解く長編と大きく様変わり。
 ミステリとしてスケールが小さい点を書店の楽しさでカバーしていたのが前作だったと思うのですが、謎は大きくなったものの正直なところ「書店員じゃなくてもいい謎」になってしまったようです。前作の良さが失われてしまったようで残念でした。どんなに出来がよい作品に仕上がっていても、前作を読んだ人が期待していたのはそこだと思うので。
 出来は本好きとして楽しい部分も多々あるけれど、長い短編の域を出ない。どうやら日常の謎を解く短編のほうが楽しませてくれる気がします。それが大崎さんの作風全般なのか、それとも杏子と多絵というこのシリーズキャラクターに限ったことなのかわからないのですが。

関連作:『配達あかずきん
2006年12月28日読了
2007.01.05 Friday 00:00 | あ行(大崎梢) | comments(0) | trackbacks(0)

大崎梢『配達あかずきん』

配達あかずきん
配達あかずきん大崎 梢

東京創元社 2006-05-20
売り上げランキング : 28043

おすすめ平均 star
star本屋って面白い
star本好きにはたまりません!
star本好き必読!!

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 「本好きにはたまらない」という言葉を使った感想を見かけることがあります。図書館だったり、古本屋が舞台となった作品たちです。『れんげ野原のまんなかで』『死の蔵書』『淋しい狩人』などなど。僕自身も使ったことがある表現かもしれません。大崎梢さんの『配達あかずきん』の舞台は本屋さん。「本好きにはたまらない」という表現が合う作品かも。

 書店には謎がいっぱい! 老人が人づてに依頼してきた本は「パンダ出版社」の「あのじゅうさにーち いいよんさんわん ああさぶろうに」だという。これって何?どんな本? 「書店の謎は書店人が解かなきゃ!」と店員の杏子とアルバイトの多絵が書店の謎に挑む連作短編集。

 作者の大崎さんは元書店員だそうで、その分書店のリアルな現実が描かれていて、幻想を抱かせない程度に楽しい作品でした。
 書店員っていうのは本好きにとっては憧れの職業の一つなのかもしれませんが、例えば本探しだとか配達だとか、そういうことが押し付けがましくない程度に書かれていて、そのバランスがちょうど良かったのです。

 ただ、これを「ミステリ・フロンティア」の1作としてみた場合どうでしょうか。若干の物足りなさを感じてしまいます。途中である程度見抜けてしまう謎が多いのです。あるいは、見抜きやすい謎なのではなく、見抜きやすい展開なのかもしれません。とにかく、謎解きの醍醐味が薄れてしまい、驚きが小さいのです。いくら楽しく、良い物語でも、ミステリとしては不満が残ります。次回作に期待。

 ちなみに、表紙は「ミステリ・フロンティア」の既刊続刊を全面に敷き詰めた感じ。どれもオリジナルの表紙ではないのですが、雰囲気はそっくり(盗作ではない)。こんな平台、見てみたいですね。

収録作:「パンダは囁く」「標野にて 君が袖振る」「配達あかずきん」「六冊目のメッセージ」「ディスプレイ・リプレイ」
関連作:『晩夏に捧ぐ
2006年6月6日読了
2006.06.06 Tuesday 00:00 | あ行(大崎梢) | comments(0) | trackbacks(0)