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2009.09.29 Tuesday | - | - | -

桜庭一樹『荒野』

評価:
桜庭 一樹
文藝春秋
¥ 1,764
(2008-05-28)
Amazonおすすめ度:
みずみずしい。
出版のタイミングとしては?
少し幻想的な第三部
 恋愛小説家の父、若い家政婦との3人で北鎌倉に暮らす山之内荒野。中学校の入学式に向かう途中の電車で窮地に陥った荒野は、ひとりの少年に助けられた。その少年・悠也は荒野と同じクラスになったのだが、荒野の名を知るとなぜか冷たい視線をぶつけてきた・・・

 ファミ通文庫から出されていた『荒野の恋』第一部、第二部に新たに第三部を書き下ろした作品。
 ああ、これが現代の少女小説なのかなといった感じ。と同時に、これはやはりライトノベルではなく、一般文芸として世に出るべき作品のような気がしました。大人が読んでこそ、楽しめるのではないでしょうか。

 物語は、12歳から始まる荒野という少女の成長を描いています。義兄との関係や父の女性関係、あるいは学校生活など、荒野の中学一年から高校一年までのさまざまなことも描かれます。しかし、それらの出来事は荒野の成長を彩るためのものにすぎません。飾りなのです。ですからどのようなこともあまりしつこくなく、彼女の前を通り過ぎていくのです。
 また、序盤では義母や女性編集者が持つ大人の女の生々しさを嫌悪していた荒野が、成長するにつれ自身も大人の女らしさをもつようになるのもおもしろいかもしれません。まさに大人の階段を昇るのです。もちろん、それは荒野に限ったことではなく、友人たちも同じ。少しずつ大人の世界が見えてくるのがなんとも言えません。
 北鎌倉という環境のためなのか、全体に静かで落ち着いた雰囲気があります。それだけに、荒野の心の動きだとか、あるいは成長だとかが際立って見えるようです。また、この落ち着きはフワフワとした印象を持つ荒野とも合っています。
 物語の展開に特別な盛り上がりがあったりするわけではないので、やや物足りなさを感じることがあるかもしれません。しかし、幸せな読書の時間を過ごせたと思います。
2008年8月25日読了
2008.08.29 Friday 13:55 | さ行(桜庭一樹) | comments(0) | trackbacks(0)

桜庭一樹『GOSICK〈6〉 ゴシック・仮面舞踏会の夜』

評価:
桜庭 一樹
富士見書房
(2006-12)
Amazonおすすめ度:
列車の中という密室で起こった殺人劇、変装、列車暴走、シリーズそのものの伏線。ミステリーの王道らしいミステリー。それと、エプロンドレス!
充実した後書きですな。
ついついニコニコしてしまいます
 「ベルゼブブの頭蓋」から脱出したヴィクトリカと一弥。ふたりは帰路、オールド・マスカレード号で「孤児」「公妃」などと名乗る正体不明の面々と乗り合わせる。だが、6人のうちヴィクトリカを除く5人で興じたゲームの最中、1人が突如苦しみだし・・・

 『ベルゼブブの頭蓋』の後編にあたる長編。冒険と推理の両面を強く打ち出しています。
 冒険といってもワンシーンだけですが、やはり『GOSICK』史上に残る名場面でしょう。そして3人の中から真犯人を探し当てる推理。これも真犯人以外の2人がなかなかうまい具合に目眩ましというかカムフラージュになっていて興味深いものです。
 もともと「孤児」だの「公妃」だのという偽名を使い虚偽で会話していることからして胡散臭いのですが、誰の言うことが真実で誰の言うことが虚偽なのか、あるいは誰の言うことも虚偽なのか、そのジレンマに苛まれるあたりがおもしろいですね。
 それに、真犯人の心情を表現するのにこういう方法を用いるのはちょっと記憶にありません。

 大きな二つの戦争の狭間で揺れ動く人々。特に子供たちは大人の事情に翻弄され、巧みに利用され、時に命を落とす・・・そんな過酷な時代を「灰色狼」と「家来」はどのように強く生き抜いていくのか続きが楽しみです。

関連作:『GOSICK ゴシック』『GOSICKII ゴシック・その罪は名もなき』『GOSICKIII ゴシック・青い薔薇の下で』『GOSICKIV ゴシック・愚者を代弁せよ』『GOSICKs ゴシックエス・春来たる死神』『GOSICKV ゴシック・ベルゼブブの頭蓋
2008年1月22日読了
2008.01.28 Monday 19:10 | さ行(桜庭一樹) | comments(0) | trackbacks(0)

桜庭一樹『GOSICK(5) ―ゴシック・ベルゼブブの頭蓋―』

評価:
武田 日向
富士見書房
¥ 588
(2005-12-10)
Amazonおすすめ度:
量の割には妙に章の多いお話です
GOSICK X -ゴシック・ベルゼブブの頭蓋-
 ある目的のために移送・軟禁されたヴィクトリカ。そこは「ベルゼブブの頭蓋」と呼ばれる要塞としても使用された修道院。彼女を助けるため一弥は「ベルゼブブの頭蓋」へ向かうが、その奇妙な修道院で開かれる夜会の途中で殺人が起きてしまう・・・

 先ごろ直木賞を受賞された桜庭さんのライトノベルミステリ『GOSICK』。今回はふたりが引き離され、閉じ込められたヴィクトリカを一弥が助けに行くという、なんともLOVE全力疾走なストーリーでした。もうLOVE120%。アブリルなんて眼中にありません。
 ミステリとしておもしろかったのは、映像では使えないトリック(仕掛け?)を文章で表現している部分でしょうか。特別な叙述トリックという訳ではありませんが、映像化したら丸わかりというものです。逆に考えれば、映像化、アニメ化の障害でしょうね。

 それにしても、これが上下巻組みの上巻的な作品とは予想しませんでした。最後まで読んで「えっ」ですよ。形見箱にまつわるエピソードはどうなるのか、オカルト省と科学アカデミーの対立の行方は、そしてふたりの運命は? 先が気になるので短編集を飛ばして6巻へ。

関連作:『GOSICK ゴシック』『GOSICKII ゴシック・その罪は名もなき』『GOSICKIII ゴシック・青い薔薇の下で』『GOSICKIV ゴシック・愚者を代弁せよ』『GOSICKs ゴシックエス・春来たる死神
2008年1月21日読了
2008.01.25 Friday 12:02 | さ行(桜庭一樹) | comments(0) | trackbacks(0)

桜庭一樹『私の男』

評価:
桜庭 一樹
文藝春秋
¥ 1,550
(2007-10)
Amazonおすすめ度:
最後まで読めませんでした
好きな作品です
この作品世界には共感できない
 花にとって淳悟は遠縁であり、父であり、子どもであり、そして男であった。24歳になり、嫁いでいく花を待ち受けていたものは・・・震災孤児として引き取られた花と、彼女にして「最低だけど最高」と言わしめる淳悟の禁断の愛の物語。

 狂気を秘めた深い愛。その圧倒的な筆致に、何者にも妨げることができない強い愛に、もうたじたじなのです。
 また、時系列を逆にするという一点だけで、この物語は単純な禁忌から別れへというストーリーから脱し、読者をより強く引きずり込み、歪みを正当化する力を与えられているように思えてなりません。構成力の勝利でしょうか。

 しかしながら、この作品を楽しめたかというとどうでしょう。残念ながら、あまり楽しめたとは言えませんでした。
 別に、この二人の禁断の関係を生理的に受け入れられないとかそういうことを言うつもりはありません。ただ、東京での逃亡生活や極寒の北国での生活があまりに閉塞的で息苦しく、楽しめるようなものではなかったのです。
 少なくとも、この作品は僕が桜庭さんに期待したものではありません。そこが残念。
2007年12月11日読了
2007.12.17 Monday 11:51 | さ行(桜庭一樹) | comments(0) | trackbacks(1)

桜庭一樹『青年のための読書クラブ』

評価:
桜庭 一樹
新潮社
¥ 1,470
(2007-06)
Amazonおすすめ度:
様々なジャンルへ越境する手法が描き出す「少女」の普遍性
お嬢様学校の珍事件とは…!?
 名門お嬢様学校・聖マリアナ学園に綿々と続く「読書クラブ」。西の官邸と呼ばれる生徒会と東の宮殿と呼ばれる演劇部という二大勢力の間で、ひたすら静かに見つからぬように崩れかけたビルに集う学園の異端者たち。それは、学園の正史から抹殺された黒歴史とも言うべき数々の珍事件を記録し、後世に伝えていく集団であった・・・

 時代の異なる5つの物語で聖マリアナ学園の100年にわたる歴史を綴った連作形式の作品。学園創立の裏話を絡めた「聖女マリアナ消失事件」はともかく、他の4作はいずれも毎年選ばれる王子など女性社会における英雄の存在を中心に、閉ざされた社会での熱病のような熱狂ぶりが描かれています。
 ただし、桜庭一樹という常に少女を書き続けてきた作家にとって、本領を発揮できるのはこうした熱狂する少女ではなく、そこから一歩退いて遠い目で熱狂ぶりを眺めている少女、あるいは否応なしに渦の中心に押し込まれてしまう少女のような気がします。
 本書における主人公は、「読書クラブ」で息を潜めるかのように本を読んでいるような少女たちです。であれば、桜庭さんにとっては当然得意な分野。おもしろくならない訳はありません。そして実際おもしろいのです。

 しかし、読んでいて物語に乗りきれず、物足りなさを感じたのも事実。聖マリアナ学園の100年の歴史という観点から、『赤朽葉家の伝説』のような作品を想像していたので、ちょっとイメージとは違ったからでしょうか。あるいは、桜庭さんに対する期待が大きすぎたのでしょうか。おもしろいけれど、桜庭さんならもっとおもしろくできたはず、というように。

収録作:「烏丸紅子恋愛事件」「聖女マリアナ失踪事件」「奇妙な旅人」「一番星」「ハピトゥス&プラティーク」
2007年8月15日読了
2007.08.20 Monday 18:12 | さ行(桜庭一樹) | comments(0) | trackbacks(0)